また、ストーリーも秀逸、とCさんは絶賛。

「主人公2人はもちろんのこと、脇を固める人たちの恋物語も描かれています。そして、そのどれもが、もどかしくて、切なくて、そして見ていて幸せな気持ちになれる。純粋に人を愛する喜びや美しさが、丁寧に描かれているんです。また、劇中で流れる、タイの人気バンド『Scrubb(スクラブ)』の歌詞も、物語に彩を添えています」

それもそのはず、「2gether」の原作者は、もともと「Scrubb」の大ファンで、彼らをいわゆる「布教」するために、この小説を書いたのだそう。

その結果、メロディアスな楽曲と、登場人物の心情がリンクして、視聴者の感情をさらに揺さぶる結果となっているのです。

「それに、このドラマでは、異性愛も同性愛も関係ない、ひとつの恋愛として描いていて、周りの人もそれを当たり前に受け入れている。なので、主人公がいわゆる偏見に悩んだり、苦悩したりする姿は一切描かれていないんです。ただただ、人を好きになる切なさと、それ以上に得られる喜び、幸せを描いている。究極のハッピーエンドドラマです」

Cさんは最後に、「2gether」を「多幸感を感じられるドラマ」だと表現してくれました。

「善人ばかりの世界で、何も悲しいことが起きず、人を愛する喜びを謳歌する。こんなにも美しくて幸せなドラマってあるでしょうか?」

おわりに

「2gether THE MOVIE」は、公開されると同時に話題沸騰。6月7日の興行通信社発表によると6月5~6日のミニシアター週末観客動員数1位を獲得しています。この勢いで日本での「2gether」ブーム、タイBLドラマブームはさらに盛り上がるでしょうか。

日本でも、「おっさんずラブ」や、「チェリまほ」がヒットを飛ばしたのは記憶に新しいところ。これからは、「アジア発BLドラマ」が一時代を築いていくかもしれませんね。

大中 千景