少子化の影響で、孫の存在は特別なものになっています。「才能を引き出そう」「しっかり勉強する子になってほしい」と、親以上に前のめりになる祖父母も珍しくありません。

コロナ禍以前の2019年のことですが、塾の説明会に祖父母が聞きに来ている家庭を見かけたことがあります。テキストの中身を真剣にチェックする、その姿に驚いたものです。

孫を思ってくれる気持ちは嬉しい反面、あまりに介入されるとストレスにもなります。なぜ祖父母が孫の教育に前のめりになってしまうのか、その背景および付き合い方について考えます。

孫の存在感が高まっている

昭和や平成前半は、孫が大勢いるのは珍しくはありませんでした。しかし、核家族化や少子化に晩婚化、そして未婚率の上昇に伴い、おのずと孫の数は減少しています。双方の祖父母にとって孫が1人または2人、ということも今は少なくないでしょう。

ひと昔前なら、祖父母の思いもたくさんいる孫の間で分散していました。もちろん、祖父母も人間です。特定の孫をかわいがることもあったでしょうが、現代社会では数少ない孫に関心が”一点集中”する傾向が強まっています。

さらに、経済的に余裕のある祖父母による教育費支援も世に浸透しつつあります。