この記事の読みどころ

  • 米国の製造業新規受注は4カ月連続のプラスとなるでしょうか。
  • 日銀短観の前哨戦となる日本のBSIはプラス圏で推移するかがポイントです。
  • 12月ミシガン大学消費者態度指数は米大統領選挙後の内容が反映されるため注目です。

今週発表される経済指標の中から、特にマーケットインパクトを与えそうな経済指標をいくつかピックアップしてみました。ぜひ、チェックしましょう!

出所:各種報道をもとに筆者作成

米国の製造業新規受注は4カ月連続のプラスとなるか

12月7日(水)0:00(日本時間)に、米国の10月製造業新規受注が発表されます。

製造業新規受注は、一定期間の後に企業の生産や出荷等に繋がることから、景気の先行指標となります。特に、受注の振れが大きい航空機を除いた非国防資本財受注は、設備投資の先行指標とされます。

前回、9月の同指標は+0.3%(前月比)と、3カ月連続の増加となりました。内訳を見ると、プラスに寄与したのは自動車・同部品が+2.6%(前月比)と、15年7月以来の高い伸び率となりました。また、一般機械も+1.1%(同)と、16年1月以来の伸び率を示しました。

今回、10月の同指標の市場予想は+2.4%(同)と、4期連続のプラス予想となっています。

日銀短観の前哨戦となるBSIはプラス圏で推移するか

12月9日(金)8:50に、日本の10-12月期四半期法人企業景気予測調査・大企業業況判断指数(BSI)が発表されます。この指標は、日銀の企業短期経済観測調査(短観)の内容を予測するものとして注目されています。

前回の7-9月期の同指標は+1.9と、3期ぶりのプラスとなりました。特に、自動車生産の持ち直しや建設需要の高まりが寄与しています。

米大統領選挙後の内容が反映される12月ミシガン大学消費者態度指数

12月10日(土)0:00(日本時間)には、米国の12月ミシガン大学消費者態度指数・速報値が発表されます。

この指数は、ミシガン大学のサーベイ・リサーチセンターが公表し、消費者信頼感指数より先行して発表されるため、マーケット参加者が重要視するものです。しかし、同指数は調査対象が300人と少数のため、非常にブレの大きい指数と言えます。

前回、11月の同指標は93.8と16年6月以来の高水準となりました。ただし、この調査は米大統領選挙の結果が判明する以前に行なわれた点には注意しましょう。

今回、12月の同指標の市場予想は94.2となっています。

【参考情報】各経済指標の元データ

米国の製造業新規受注は商務省センサス局のウェブサイト、法人企業景気予測調査は財務省のウェブサイト、米国のミシガン大学消費者態度指数は同大学のサーベイ・リサーチセンターのウェブサイトをそれぞれご参照ください。

 

岡野 辰太郎