60代の収入は50代の7割弱
今はサラリーマン・ウーマンが60歳で定年退職した後も、再雇用制度を利用してそのまま同じ職場で働いたり、別の会社に再就職するという選択肢があります。 ところが、定年退職時の給料を維持できることは少なく、給料が4〜5割減というケースもあります。
図表2の年代別家計収支でも、50~59歳の実収入695,882円に対して、60歳以上は466,747円と、50代の7割弱の水準です。
一方、消費支出の方は60歳以上が286,136円で、50代の338,611円の約85%と、実収入ほどのダウン率ではありません。また、実収入が最も少ない40歳未満世代の579,311円より、60歳代の収入は少なくなっているにもかかわらず、支出は40歳未満世代の267,022円を上回ります。
60歳で定年になったからといって、すぐに支出を減らせるものではないのでしょう。生活水準を上げるのは簡単ですが、一度上がった水準を下げることの難しさを、この数字からもうかがい知ることができます。
公的年金はどれくらいもらえるのか?
最後に、老後生活の柱になる年金について見ていきます。
厚生労働省年金局の「厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和元年度)」によると、厚生年金保険を受給している人の平均月額は144,268円。男女別では、男性164,770円、女性103,159円。また、国民年金を受給している人の平均月額は55,946円。男女別では、男性58,866円、女性53,699円でした(注2)。
注2 令和3年度の国民年金の月額(満額)は65,075円で改定されています。