足元では、方向感が出しづらく、ニュースや要人の発言などで株価が振られやすい状況が続いていますが、その中でもしっかりと上がっている銘柄もあります。先々を見据えて物色したいところです。

25日移動平均線と75日線の間で小幅にもみ合う

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。先週は終始、5日移動平均線にローソク足の実体がかかるような動きでした。上下のヒゲが長く、ローソク足の実体が短くなっています。

上値は75日線で押さえられています。ただし、下値も25日線で支えられています。「売りたい」投資家と「買いたい」投資家の力が拮抗し、小幅にもみ合っている状態です。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。まずはこのもみ合いを上下どちらに抜けるかがポイントになります。上値メドとしては、心理的節目となる29,000円、さらには5月28日の高値(29,194円)になるでしょう。このあたりは75日線にも重なります。

その後は、2月16日の高値(30,714円)からの下降トレンドラインのチャネル上限が29,500円あたりになりますので、これを突破できるかどうか。ここを回復できるようであれば、再度の3万円台も近づきます。

逆に75日線を回復できず、25日線も割り込むようであれば、注意が必要です。ただし、それでも5月13日の安値(27,385円)を割るまでは、中期的にも上昇トレンドは継続しますので、押し目買いの好機と捉えることもできます。

中期的に見ると、昨年10月から続く上昇トレンドは継続中で、今は上昇一服といったところ。そろそろ底入れが期待できます。目線を上に持って、チャンスに付いていきたいところです。

下原 一晃