日経平均は米雇用統計の発表を控えて小幅な動き

2021年6月4日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より116円59銭安の28,941円52銭でした。3日ぶりの反落です。

先週は小幅にもみ合う動きとなり、3日には終値が29,058円と29,000円台を回復しました。しかし、4日夜に5月米雇用統計の発表が控えていたことによる利益確定売りなども出て、4日には再び29,000円を割り込みました。

今週の動きはどうなるでしょうか。4日に発表された5月の米雇用統計では、景気動向を映す非農業部門雇用者数は前月比55万9000人増で、予想中央値(67万5000人)を下回りました。雇用は回復しているものの、やや鈍さを感じさせます。

ところが市場はこれを好感しました。足元で懸念されていた、米連邦準備理事会(FRB)のテーパリング(量的緩和の縮小)がまだ先になるだろうと判断したのです。

このため、4日には米長期金利が低下し、同日のダウ工業株30種平均は前日比179ドル35セント高の34,756ドル39セントと、過去最高値(5月7日の34,777ドル)に迫りました。日本株も週初から連れ高になることが期待されます。

鈍化しているとはいうものの、米国の雇用が回復に向かっていることは確かです。15、16日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されており、テーパリングに向けた議論が始まることも考えられます。それまでにFRB高官などから何らかの発言が出ると、相場が振れる可能性があるので注意が必要です。

国内では、新型コロナウイルス感染者数は依然として高水準にあるものの、増加のペースはやや落ち着きを見せています。ワクチン接種が今月から加速すると見られる自治体も多いことから、経済活動の再開にも期待がかかります。