「預貯金だけ」が貯蓄ではない
さて、加入中の保険や、保有している有価証券(株式や投資信託など)も、貯蓄に換算していく必要があります。
ここからは、上記の調査より、預貯金以外の貯蓄状況を見ていきましょう。
50代の「預貯金以外の貯蓄額」
二人以上世帯のうち勤労世帯
【生命保険など】…計393万円
【有価証券】…計214万円
- 株式・株式投資信託… 187万円
- 貸付信託・金銭信託…9万円
- 債券・公社債投資信託…18万円
【金融機関外】…計85万円
上記より、預貯金以外の金融資産は692万円でした。
以上の項目を合計した50代・二人以上世帯のうち勤労世帯の貯蓄平均は1681万円となっています。※四捨五入の関係で、内訳の合計は総計と一致しません。)
老後2000万円問題もクリア!?
「50代・二人以上世帯のうち勤労世帯」の貯蓄平均は、1681万円でした。
50代でこの程度の貯蓄があり、なおかつ60歳前後で退職金を受け取ることができれば、いわゆる「老後2000万円問題」もクリアできるのではないかと感じた方もいらっしゃるでしょう。
しかし、先ほどお伝えした「1681万円」という平均貯蓄額には、ひとつ、留意点があります。
それは、「負債が加味されていない」という点です。
負債という響きに、「借金」というネガティブな印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、みなさんの多くが利用する住宅ローンや奨学金などの教育ローンも「負債」です。
よって、何かしらの「負債」がある世帯が多数派と考えてよいでしょう。そこで、50歳・二人以上世帯の負債について、「住宅・土地のための負債(住宅ローン)」と、それ以外に分けて見ていきましょう。
50代の「負債額」
二人以上世帯のうち勤労世帯
住宅・土地のための負債…627万円
- 公的機関…68万円
- 民間機関…543万円
- その他…17万円
住宅・土地以外の負債…32万円
- 公的機関…4万円
- 民間機関…26万円
- その他…2万円
月賦・年賦…33万円
「住宅ローン以外の負債も含めた合計負債額」は692万円ということになります。また、負債全体に対する住宅ローンの割合は90%を超えています。