資産運用「3つのポイント」
では、どのような点に注意して資産運用を行えばよいか、「複利・長期積立投資・保障」という、3つのポイントに絞ってご説明させていただきます。
ポイント①「複利」
1つ目のポイントは「複利」です。
運用から得られたリターンを手元に受取らずに、元本に再度投資し運用を継続していくことで、雪だるま式に投資元本を増やしていく方法です。
ポイント②「長期積立投資」
2つ目のポイントは「長期積立投資」です。
過去の実績上、運用期間が長ければ長いほど、運用成績が高いことがわかっています。かつ長期で積立を行うことで、買値を平準化でき、高値で買うリスクを抑える効果を得ることができます。
ポイント③「保障」
3つ目のポイントは「保障」です。これは複利で長期積立投資を行う前提条件のことです。
投資をする場合は、あくまで毎月の安定した収入があり、余裕のある分から投資に回していく、ということが必要です。
ですので、ケガや病気で毎月の収入が減少したり、途絶えたりした際にも投資を続けられるよう、最低限の保障を同時並行でとりながら運用を行うことが重要になってきます。
この3つのポイントを押さえ、毎月3万円を年率6%の複利で30年間運用した場合、金融庁「資産運用シミュレーション」で試算すると約3000万円のお金を作ることができます。
一方、貯金の場合、受け取る利息はほんのわずかです。毎月3万円を、今の低金利がずっと続くとして積み立てていった場合、30年後の金額は約1080万円です。投資による資産運用を行った場合との差は、かなり大きいといえるでしょう。
早めにスタートしたい「老後のお金」対策
一時の勢いは失ってしまったとはいえ、日本は世界第3位の経済大国です。一方で、70代以上世帯の2割弱が「貯蓄ゼロ」であることに驚かれた方も結構いらっしゃったのではないでしょうか。
はたらきざかりの現役世代のみなさんには、できるだけ早めに「老後のお金対策」をスタートされることを強くおすすめします。
何から手をつけてよいか分からない場合、まずはお金の専門家のアドバイスを受けながら、はじめの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」
- 金融審議会「市場ワーキング・グループ第21回 厚生労働省提出資料」厚生労働省「iDeCoを始めとした私的年金の現状と課題」
- 公益財団法人生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」
- 日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」(2020年8月21日)
- 金融審議会「市場ワーキング・グループ第21回 事務局説明資料」金融庁「人生100年時代における資産形成」
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
- マネイロ「資産運用はじめてガイド」
佐藤 雄基