米株上昇を受けて日本株も買われる

2021年5月28日の東京株式市場で日経平均株価は急反発し、終値は前日より600円40銭高の29,149円41銭でした。29,000円台を回復するのは今月10日以来です。

前日27日の米株式市場でダウ工業株30種平均が上昇。また、同日に発表された週間の米新規失業保険申請件数が市場予想より少なかったことから雇用回復の見方が広がって米株が買われ、日本株も連れ高となりました。

今週の動きはどうなるでしょうか。28日の米株式市場でダウ平均は3日続伸し、前日比64ドル81セント高の34,529ドル45セントで終えています。

米商務省が28日発表した4月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比3.6%の上昇でした。2008年9月の指数(3.7%)以来の高い伸び率です。

インフレ加速が懸念されるところですが、それにもかかわらず28日の米長期金利は1.5%台に低下し、株も買われました。

FRB(米連邦準備制度理事会)のテーパリング(量的緩和の縮小)などを予想する声もあるのですが、FRB高官が金融緩和を堅持する発言したことなどが安心材料になっています。

依然として「買いたい」投資家が多いことがうかがえ、週初から日本株も底堅い動きになりそうです。足元で円安傾向が続いていることも追い風になります。

今週は重要な経済指標がいくつも発表されます。6月1日には米製造業PMIおよびISM製造業景気指数、4日金曜日には5月の米雇用統計も発表されます。

投資家の間では「アフターコロナ」を見据えた景気回復を織り込んでいるようですが、予想以下の数値になると失望売りになるでしょう。そういったことから、今週は日本株も様子見ムードになることも考えられます。