国内では28日、政府が東京や大阪など9都道府県の新型コロナ緊急事態宣言を6月20日まで延長すると決定。業種業態によっては影響を受ける企業もありそうです。

一方で、今週あたりからワクチン接種のペースが加速するとの観測もあります。その場合は買われる動きになるでしょう。

25日移動平均線を回復、75日線に迫る

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週末21日にはローソク足の実体が5日移動平均線を回復。今週はこれを維持できるかどうかがポイントでした。

実際には、ヒゲの長い足が続いたものの、全体的には5日線に下値をサポートされるような底堅い動きになりました。さらに注目すべきは、25日線も回復したことです。28日には大きく窓をあけて上昇して寄り付くと、そのまま陽線となりました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。4月の下旬に25日線を割り込んで以降、5月上旬にいったん上値を試す動きがありましたが、ここで25日線に押さえられました。

先週、ここを回復できました。また、足元では28,300円~28,700円付近がレジスタンスラインになっていましたが、これも超えてきました。大いに頼もしいところです。

ただ、その後はその先の75日線に上値を押さえられました。今週以降、まずは75日線(29,200円付近)を回復できるかどうかがポイントになります。ここを超えてくるようであれば、3万円台回復も見えてきます。

短期的には下降トレンドになっており、そのトレンドラインの上限が29,700円あたりになります。直近の戻り高値である5月10日の高値(29,685円)にも重なります。ここを上抜けるようであれば、目線は上に持っていいでしょう。

逆に、このあたりで上値を押さえられるようであれば、しばらくもみ合いになる可能性もあります。

下原 一晃