まだある!遺族年金の格差と盲点
遺族年金の基礎的な制度の部分についてお話してまいりました。ここからは遺族年金の格差と盲点について触れていきます。
実は遺族年金制度は、いわゆる”大黒柱の夫と専業主婦の妻”から成る、ひと昔前に一般的であった世帯を想定して作られています。特に遺族厚生年金に関しては、少し男性に不利な条件となっているのです。
遺族厚生年金を受給できる優先順位は「遺族年金ガイド 令和3年度版」によると以下のとおりです。
亡くなった人に生計を維持されていた
- 妻、死亡当時55歳以上の夫、子
- 死亡当時55歳以上の父母
- 孫
- 死亡当時55歳以上の祖父母
また、支給条件に該当する妻は、40歳から65歳になるまで「中高齢の寡婦加算額」が加算されますが、夫にはこの加算はありません。
共働き夫婦が確実に増えるこんにち。妻が先に亡くなった場合に家計が受ける影響は、ひと頃に比べるとかなり大きくなっているため、この点においては注意が必要といえそうです。
また、夫が亡くなった場合、妻自身が働いていて厚生年金に加入していた期間があるケースでは注意が必要です。65歳以上になる方で、自分の老齢厚生年金の方が遺族厚生年金よりも多い場合は、遺族厚生年金の支給が全額停止になる点も知っておきましょう。