次に帝国データバンクなどで財務の内容をチェックしましょう。

しかし、小さい会社の場合はデータがない場合があります。そこでとっておきの調査方法をお教えしましょう。その方法は「経営審査事項」を取り寄せることです。

この資料は公共工事の入札をする際に必ず必要な書類で、建設会社の売上高や利益、資産や負債の額、技術者の数など、経営情報が全て掲載されています。

取り寄せ方は簡単で、一般財団法人建設業情報管理センターのサイトで検索すれば、全国の業者の経営審査事項を調べることができます。公共工事をしていれば必ず公表されていますので、取り寄せてチェックするといいでしょう。

以前、私が企画した物件の業者選びの際に、他社よりも明らかに安すぎる見積もりをしてきた建設会社があったので、不審に思って経営審査事項を調べたことがあります。

すると、多額の負債があることが判明し、営業マンにその理由を聞いたところ、なんと多額の手形の不渡りを掴まされていたということだったのです。当然、この業者には発注しませんでしたが、もし安いからといって発注していたら、手付金を払った瞬間に倒産していたかもしれません。

おわりに

さて、いかがでしたでしょうか? アパート経営は投資ですから、建築費は安いに越したことはありませんが、その裏にはリスクと責任が伴うということがおわかりいただけたのではないでしょうか。

とはいえ、不動産投資のリスクはあらかじめ予測できるものばかりなので、しっかり勉強して誠実に経営をしていけば、ほとんどのリスクは回避できます。

自主管理する場合はもちろん、管理会社に管理を委託する場合でも、少なくとも「不動産実務検定2級」程度の知識を大家さん自身が持っておくことが重要です。

また、大家さん仲間を作って情報交換することもおすすめです。今は全国で大家さん同士の勉強会が開催されていますので、「お住まいの地名+大家塾」などで検索してみると良いでしょう(ただし、業者が主催する売り込みのセミナーには間違っても参加しないでくださいね)。

不動産投資は学べば学ぶほどリスクは小さくなりますし、あなたの未来に応えてくれる稀有な投資法です。ぜひこれからも一緒に勉強していきましょう。

浦田 健