新型コロナウイルス感染拡大による臨時休校措置から1年。現在は、第4波に見舞われている地域でなければ、児童生徒はマスク着用や黙食などの制約はあるものの以前のように通学しています。

1年前の混乱がまるで嘘のように、子どもたちは新しい学校生活様式に慣れているようにも思えます。しかし、コロナ禍による子どもの心理状況は、大人が思う以上に悪い方へと揺れ動いているようです。

突如始まった”非日常”の日々に「うつ症状」も

ご存じの通り、昨年初めは未知のウイルスを前に日本国中がパニック状態となり、一時的に食料品や衛生用品の買い占めなども起きました。

子どものいる家庭では、3月から5月末までの臨時休校措置や大学のオンライン授業実施など、それまで想像もしたことがないような出来事への対応で、いっぱいいっぱいだったという方も少なくないでしょう。

大人でさえ対応に苦慮していたのですから、子どもへの影響もあって当然。そんな中、国立成育医療研究センターでは「コロナ×こどもアンケート」を継続的に行っており、第4回目では特に子どもの心の健康や悩みについて詳しく聞いています※。

その結果からは、小学校(4年生以上)・中学生・高校生の16%から30%の子どもに中等度以上のうつ症状がみられるという事実が判明。使用されたのは、思春期のこどもを対象としたうつ症状の重症度尺度である「Patient Health Questionnaire for Adolescents(PHQ-A)日本語版」です。

中学生や高校生ではうつ症状が全くない割合はそれぞれ47%、46%と、共に過半数を割っています。言い換えれば、半数以上が新型コロナウイルスをきっかけに、何かしら心理面でのストレスや変化を感じているのです。

個別の項目では、「気分が落ち込む、ゆううつになる、いらいらする、または絶望的な気持ちになる」や「疲れた感じがする、または気力がない」といった心身の状態があるという回答が多くなっています。

※小学1年生~高校3年生(相当)のこども、および 0歳~高校3年生(相当)のこどもの保護者、合計4,076回答、調査実施は2020年11月17日~2020年12月27日