50代といえば、リタイヤ後の暮らしをイメージし始める人が増える時期です。

キャリア、そして貯蓄の面でも、現役時代のラストスパートともいえる年代ですが、住宅ローンの返済やお子さんの教育費の捻出に頭を悩ませる方も多いでしょう。

なかには、老後資金の準備を着々と進めている「つわもの」もいらっしゃるかもしれませんね。

さて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大は、私たちの生活様式をガラッと変えました。企業の業績悪化や雇用不安は、働く私たちの暮らしにダイレクトにつながる懸念事項でもあります。

そんな今、リタイヤ前に少しでも貯蓄を増やしておきたいと思う気持ちは、すべての現役世代に共通することでしょう。

今回は、最新版の家計調査の結果をもとに、定年退職を控えた50代みなさんの貯蓄について眺めていきます。

さいしょに「貯蓄とは」

総務省の家計調査報告(貯蓄・負債編)の用語の解説によると、貯蓄とは、

ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。

とあります。

つまり、「貯蓄額」には、預貯金以外の金融資産も含まれている、ということです。

では、50代世帯のお金事情について見ていきましょう。

50代「預貯金以外」の金融資産はいくらか

では50代世帯の貯蓄事情について見ていきましょう。

ここからは、2021年5月18日に総務省が公表した、「家計調査報告(貯蓄・負債編)2020年(令和2年)平均結果(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)」を参考にします。

「貯蓄額」の総額をみるにあたり、まずは、定年前の50代の「預貯金以外」の金融資産からみていきます。

生命保険など:393万円
有価証券:214万円
金融機関外:85万円

50代は、預貯金以外に約700万円の金融資産があることがわかりました。

次に、50代の預貯金額、そして貯蓄額全体を見ていきます。