「地方公務員の退職金」実際はどうなのか
次に、総務省の「平成31年地方公務員給与の実態(表-24 団体区分別,年度別一般職員の勤続25年以上の定年又は応募認定退職者1人当たり退職手当額)」より、地方公務員の退職金を見てみましょう。
平成30年度(60歳)
- 全地方公共団体:2133万円
- 都道府県:2183万9000円
- 指定都市:2119万3000円
- 市:2126万8000円
- 町村:2008万1000円
地方公務員の場合でも、定年や応募認定による退職であれば、2000万円以上の退職金を受け取っているようですね。
退職金2000万円あれば老後は安泰か
では、公務員のように退職金が2000万円あれば、老後は安心して暮らしていけるのでしょうか。ここで、2019年に話題となった「老後2000万円問題」を振り返りながら考えていきましょう。
問題の発端となった、金融審議会「市場ワーキング・グループ第21回(厚生労働省提出資料)」では、夫65歳以上・妻60歳以上の無職高齢夫婦世帯をモデルケースとして、老後の生活費の試算が行われています。
同資料によると、この世帯の毎月の収支は以下の通りです。
- 実収入(主に年金):20万9198円
- 実支出(主に食費):26万3718円
- 月々の収支:5万4520円の赤字
この毎月の赤字が、仮に老後30年続くと仮定すると、
- 約5万5000円(赤字額)×12カ月×30年=約1980万円、つまり約2000万円となります。
これが「老後2000万円」の根拠です。
「2000万円あれば、セカンドライフは安泰では?」と感じた方もいらっしゃるでしょう。しかし、この試算には、いくつか落とし穴があるのです。