学歴による年収差は無視できない

最後に、厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」の学歴別の平均年収(ボーナスなどの賞与や手当等は除く)を見てみましょう。

すると、大学・大学院卒の男性の平均年収は400万5千円、大学・大学院卒の女性が296万4千円、高卒男性は292万9千円で高卒女性が214.6千円となっています。もちろん、学歴に関係なく成功する人もいますが、上記の調査結果からも学歴によって年収差があることは明らかです。

教育費は決して安くはありません。また、子どもの成長に合わせて出費するため長期的な支出になります。世帯収入に余裕がなければ出し続けることは難しいものです。

子どもの教育のためのお金は、親自身が自分の成長過程と重ねて「当たり前」と感じている、そして子どもに必要なものだと考えているからこそ出せるものですし、そのためには経済的な裏付けが不可欠です。

近年特に所得格差の拡大が学歴の固定化につながることへの懸念が顕在化していますが、学力も学歴も教育費次第という考えは今の親特有の意識ではなく、すでに祖父母世代から始まり、現在へと受け継がれているのかもしれません。

参考資料

中山 まち子