3月に入り、電気代・ガス代の請求額が増えている家庭も多いのではないでしょうか。
特に年金生活を送るシニア世帯にとっては、数千円単位の支出の増加であっても家計への影響が大きいものです。
こうした中で注目されているのが、「年金生活者支援給付金」です。所得金額など一定の要件を満たす対象者には、年金支給日に「ひとり1万900円」が上乗せされます。
ただし、当給付金を受給するには申請手続きが必要です。
この記事では、年金生活者支援給付金の対象者や申請方法についてわかりやすく解説します。
1. 【年金生活者支援給付金】もらえるのは誰?
年金生活者支援給付金は、年金を含む所得の合計が一定基準額以下の人を対象とした支援です。
受給している年金の種類により、給付金も以下の3種類に分けられます。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
ここでは、それぞれの給付金を受給するための要件について解説します。
1.1 「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件
老齢年金生活者支援給付金を受給できるのは、以下の3つの要件をすべて満たす人です。
- 65歳以上で老齢基礎年金を受け取っている
- 同一世帯全員の市町村民税が非課税である
- 前年の年金収入額とその他の所得の合計が一定金額以下である
前年の年金収入額とその他の所得の合計に関する要件は、次のように定められています。
- 昭和31年4月2日以後に生まれた人:80万9000円以下
- 昭和31年4月1日以前に生まれた人:80万6700円以下
所得要件の計算には、障害年金・遺族年金などの非課税収入は含みません。
さらに、所得要件の基準額をわずかに超える人には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
支給対象となるのは、前年の年金収入額とその他の所得の合計について以下の要件を満たす人です。
- 昭和31年4月2日以後に生まれた人:80万9000円を超え90万9000円以下
- 昭和31年4月1日以前に生まれた人:80万6700円を超え90万6700円以下
1.2 「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件
障害年金生活者支援給付金・遺族年金生活者支援給付金を受給できるのは、以下の2つの要件を満たす人です。
- 障害基礎年金または遺族基礎年金を受け取っている
- 前年の所得が479万4000円以下である
所得要件の計算には、障害年金・遺族年金などの非課税収入は含みません。
また、所得要件の基準額は扶養家族の人数に応じて増額されます。
2. 【年金生活者支援給付金】給付金額はいくら?
2026年度の年金生活者支援給付金は、2025年の物価変動率に基づいて3.2%の引き上げが発表されました。
- 老齢年金生活者支援給付金:5620円(前年比+170円)※基準額
- 障害年金生活者支援給付金(1級):7025円(前年比+212円)
- 障害年金生活者支援給付金(2級):5620円(前年比+170円)
- 遺族年金生活者支援給付金:5620円(前年比+170円)
上記は各給付金の月額であるため、実際には年金支給日に2ヶ月分がまとめて支給されます。
ただし、老齢年金生活者支援給付金は保険料納付済期間などの条件によって給付金額が異なり、基準額はあくまで目安となります。
また、給付金の引き上げは2026年4月分(6月支給分)から反映されるため、2026年2月支給分は増額前の金額である点に注意しましょう。
3. 【年金生活者支援給付金】平均給付月額は?
「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2025年3月において認定されている年金生活者支援給付金の平均給付月額は、以下のとおりです。
- 老齢年金生活者支援給付金の平均給付金額:4146円
- 障害年金生活者支援給付金の平均給付金額:5727円
- 遺族年金生活者支援給付金の平均給付金額:5228円
また、2025年3月において認定されている老齢年金生活者支援給付金の年齢別の平均給付月額は、以下のとおりです。
- 70歳未満:4905円
- 70〜74歳:4374円
- 75〜79歳:4092円
- 80〜84歳:3936円
- 85〜89歳:3989円
- 90歳以上:4045円
2025年3月時点の老齢年金生活者支援給付金の基準額は5310円であるため、どの年代においても実際の支給金額は基準額より少ないケースが多いと予想できます。
とはいえ、年金生活を送るシニア世帯にとって、2ヶ月に1度の年金に約1万円が上乗せされるのはうれしい支援です。
次章では、老齢年金生活者支援給付金を受給するための申請手続きについて紹介します。
4. 受給には手続きが必要!「老齢年金生活者支援給付金」の申請方法をケース別に紹介
年金生活者支援給付金を受給するには、初回のみ申請が必要です。
ここでは、老齢年金生活者支援給付金の具体的な申請方法をケース別に解説します。
4.1 すでに年金を受給している人の場合
現在年金を受給中の人が新たに年金生活者支援給付金の支給要件を満たした場合、例年9月より順次申請書類が届きます。
請求書ははがき型になっているため、必要事項を記入して返送しましょう。
4.2 これから年金を受給する人の場合
これから年金を受給する人が年金生活者支援給付金の支給要件を満たした場合、65歳の誕生日の3ヶ月前に年金請求書と同封された形で給付金請求書が届きます。
必要事項を記入したら、年金請求書と併せて年金事務所に提出してください。
4.3 年金を繰上げ受給している人の場合
年金を繰上げ受給している人が新たに年金生活者支援給付金の支給要件を満たした場合、65歳を迎える誕生月の初旬(1日生まれの人は前月の初旬)に黄色の封筒が届きます。
封筒の中身ははがき型の給付金請求書であるため、必要事項を記入して郵送してください。
また、この場合も2025年1月以降にはがきが届いた人は電子申請が可能です。
5. 「年金生活者支援給付金」の申請手続きはお早めに
年金生活者支援給付金は要件に該当する限り継続して受け取れますが、受給を開始するには申請手続きが必要です。
ご自身が受け取れる実際の給付金額は、請求書に記載されています。
申請手続きが遅れると、その分支給開始時期が遅くなる可能性もあります。ご自宅に請求書が届いたら、給付金額を確認したうえで早めに手続きを済ませましょう。
※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。






