「金融商品の種類に限らず、このルールを決めておくことは大事。たとえば、株価が下がったときに『また株価は上がってくるだろう』と思ってそのままにしておくと、より大きな損失につながる。株価が5%下がったら売る、あるいは1,500円の株価が1,200円まで下がったら売る、というように具体的な数字を決めるまで絶対に買わない」と言い切ります。

こうしたルールを決めても守れない人もいるようですが、Aさんは兎にも角にも機械的に売却しているようです。「投資は増えるときは増えるけど、その分減るときもぐっと減る。その減りをどれだけ少なくできるかがポイントだと思う」とのこと。投資にチャレンジするときはルール決めを徹底したいところです。

2倍、3倍…を夢見ない

さらにAさんは、「投資で資産が2倍、3倍になったというようなネットの記事を読んで、期待に胸を膨らませて投資を始める人がいるけれど、それは間違い。ほとんどの人はそうならない。むしろそんな人が珍しいから記事にされるワケであって、そういうのを夢見て投資を始めると挫折の原因になる」と言います。

「実際、株価が2倍、3倍になることもある。でも、それを引き当てるなんて、普通にサラリーマンをしていて企業のことを細かく調べる時間が取れない人にはまず難しい。たまたまそういう企業の株を引き当てることもあるけど…」と続けるAさん。

「そんな夢は捨てて、ちょっとでも儲かればいい。何事も欲張ると失敗する、それは投資も同じ。手数料負けしなければいいと思っている」のだそう。手数料で証券会社に支払う分をを差し引いてマイナスにならなければいい、という程度に思っていれば欲に溺れることなく冷静でいられるというのがAさんのポリシーなのだそうです。