ちなみに、介護費用に関しては「LIFULL介護」ホームページのデータより、平均入居期間である5年(60カ月)で費用を計算すると下記のとおりです。

  • サービス付高齢者向け住宅:16.4万円×60カ月+19.9万円=1003.9万円≒約1000万円
  • 有料老人ホーム:23.1万円×60カ月+540万円=1926万円≒約1900万円

また、公益財団法人生命保険文化センターのデータによると、必要最低限の生活ではなく、ゆとりある老後生活を送りたい場合は、月々36.1万円の生活費が必要という試算も出ています。

以上のことから、老後生活費は介護を考えると最低でも3000万円、介護プラスゆとりある生活を送りたいとなれば、5000万円以上は必要になってくると言えます。

老後を迎える前に対策を

現状の70歳以上の貯蓄額では、老後生活を送るためには不十分であることが分かりました。

では、一体どうすれば良いのでしょうか。

1つの手段として「貯金」があります。

例えば、35歳の人が年金を受け取り始める65歳までに3000万円を貯めようとすると、計算上、約8万3000円を毎月欠かさずに65歳まで貯金し続ける必要があります。

これは、日々の生活費や趣味、結婚等のライフイベントがある状況においては、なかなか難しいことでしょう。

では、「お金に働いてもらう」場合はどうでしょうか。

例えば、毎月の積み立て金額を3万円、積立期間を先程と同じ30年、想定利回り(年率)6%の複利(年1回)で運用した場合、3000万円のお金を作ることができます。(※金融庁「資産運用シュミレーション」を使って筆者が計算)

3000万円という金額を準備するために、一方では月々8万3000円を積み立て、もう一方では、リスクをとって運用をしているとはいえ、月々3万円の積み立てで実現できるのは驚きです。

月の貯蓄額に5万2000円の差がでるわけですから、「お金に働いてもらう」方法は検討に十分値します。