現役時代の生活水準に規定される退職後の生活費

「退職後の生活費はどれくらい必要か」とよく聞かれます。

答えは人それぞれなので、一律の回答はありませんが、ある程度の見込みはもっていた方がいいでしょう。

その際に大切なのは、「現役時代の生活費が退職後の生活も規定する」ということです。

退職しても生活水準を簡単に引き下げることはなかなかできません。したがって、生活費も簡単に減ることはありません。

米国の会計検査院の調査によると、退職後の生活費は税込みで現役世代の70~85%とのことです。

思った以上に高いのは、米国ならではの「退職すると医療費が全額自費になる」といった事情がありそうです。

それを考慮して、国民皆保険制度がある日本ではそのレンジの下限70%だとしましょう。

そうすると、現役時代に年収600万円だった人の場合、退職しても年間420万円もの生活費が必要になります。

地方移住で生活費を減らすことができる

退職後の生活費で大きな金額を占めるものとして指摘されるのが、医療・介護費、税金・社会保険料、食費です。

しかし、どれも簡単に削減できるものではなく、どちらかといえば、加齢に伴って医療・介護費は増える傾向にあります。

超高齢社会では、高齢者も税金や社会保険料の負担は増える方向にあるからです。

とはいえ、食費を減らすのも、何だか悲しい対策ですよね。

よって、ほかの生活費で下げられるものはないか、包括的に下げられる方法を探す必要があります。