たとえば、福岡市東区にある貝塚公園内に設置されている「ブルートレイン ナハネフ22 1007」。老朽化により解体の危機にあるこの車両を救いたい、と立ち上がったのが小学5年生の坂井 利優(さかい かずま)君。
彼の「僕は小学生ですが、この車両を守るために何か手伝えることはありませんか」という一言から、「ナハネフ22 1007修復プロジェクト委員会」が発足。車両の屋根部分を含めた、全塗装の資金をクラウドファンディングで募ります。
そして坂井君の真摯な思いが人々の共感を呼び、目標金額を超えた資金が集まり、プロジェクトが成立しました。
また、大ヒットアニメ映画「この世界の片隅に」は、クラウドファンディングで制作資金が集められた映画。まさに、クラウドファンディングがなければ、あの名作はこの世に存在することはなかったのです。
つまり、私利私欲ではなく、資金提供者が「共感」だけでなく「感動」も覚えることができる、そして資金提供により「達成感」を得られる。それこそが、理想的なクラウドファンディングの姿、なのではないでしょうか。
おわりに
クラウドファンディングと聞くと、脊髄反射的に「安易なお金の集め方」と嫌悪感を抱いてしまう人も少なくありません。それは、SNSで炎上するクラウドファンディングが定期的に発生するからです。
クラウドファンディングの本来の目的をしっかりと理解し、正しく利用すれば、私たちに大きな可能性をもたらしてくれることは、間違いないでしょう。
参考資料
- “ぼくの人生を変えたナハネフを救いたい” 小学5年生との挑戦(READYFOR)
大中 千景