今や、立派な資金調達手段のひとつとして市民権を得ている「クラウドファンディング」。特に、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、クラウドファンディング立ち上げ件数が過去最高になったのは、記憶に新しいところ。

確かに「支援の輪」が広がるのは非常に喜ばしいことではあります。しかし、その一方で、クラウドファンディングを、あまりにも安易な資金集めの方法と捉えている人も、少なからずいるような気がするのです。

そもそもクラウドファンディングとは?

クラウドファンディングは、英語の「群衆」を表す「crowd」と、「資金調達」を意味する「funding」を組みわせた造語。個人及び法人がプロジェクトを公開することにより、資金を募る側・資金を提供する側をマッチングさせる仕組みです。

クラウドファンディング最大の特徴は、資金提供者を多数募り、それぞれから少額ずつ資金を集めることです。その軸となっているのは「共感」。たとえ銀行から融資を受けることができなくても、多数の人たちから「共感」を集めることができれば、多額の寄付を集めることができるのです。

その一例が2008年のアメリカ大統領選挙。時の候補者、バラク・オバマ氏が、インターネットを通じ選挙資金を調達。その結果、7億5000万ドルもの資金集めに成功しました。驚くべきは、彼に資金を提供した人々の多くが100ドル以下の、いわゆる「小口寄付」だったこと。

日本では、2011年1月に立ち上がった「CAMPFIRE」などが、代表的なプラットフォームだと言えるでしょう。