老後資金の不安は多くの人が持っていますが、60歳で定年を迎えて以降は働かないという前提で計算するから不安になるのです。上記のように、人生の半分働くという発想で70歳まで働くことを前提に計算すれば、それほど不安を感じる必要はないはずです。

物事には二面性があります。少子高齢化には「公的年金の受取額が減る」という側面と、「従来の定年である60歳を過ぎても元気なので70歳までは働ける」という側面があるわけです。前者だけを取り上げて不安におののく必要はありません。後者も併せて考えれば、何とかなるはずです。

「年金が期待できないから投資で稼がなければ」などという脅し文句で投資商品を売りつけようとする輩や、不安を煽って顧客の関心を惹こうとする評論家等々の影響で無用な不安に怯える必要はありません。冷静に考えれば、普通のサラリーマンは何とかなるわけですから。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。

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塚崎 公義