この記事の読みどころ
- 前回、9月の米小売売上高ではiPhone7効果は見られませんでした。
- 消費者物価指数はFRBの金融政策に最も大きな影響を与えます。
- 米国の建設許可件数は高水準で推移しています。
今週発表される経済指標の中から、特にマーケットインパクトを与えそうな経済指標をいくつかピックアップしてみました。ぜひ、チェックしましょう!
iPhone7効果が見られなかった前回の小売売上高
11月15日(火)22:30に、米国の10月小売売上高(前月比)が発表されます。
米国の小売売上高は商務省センサス局が公表し、GDPを筆頭に、雇用統計や消費者信頼感指数との間に高い相関があります。
前回、9月の同指標は+0.6%(前月比)とプラスに転じ、6月以来最大の伸び率となりました。
内訳は、ガソリン給油所の売上高が前月比+2.4%となり、建築・園芸資材も同+1.4%となりました。変動の大きい自動車を除いた小売売上高も同+0.5%で3カ月ぶりのプラスへと改善しました。
一方、アップルのスマートフォン「iPhone7」発売開始の時期と重なったものの、その効果は見られませんでした。
今回、10月の同指標の市場予想は前月比+0.6%と、前月と同水準の見通しとなっています。
FRBの金融政策に最も大きな影響を与える消費者物価指数
11月17日(金)22:30に、米国の10月消費者物価指数(コア指数・前月比)が発表されます。
消費者物価指数は労働省労働統計局が公表し、インフレ度合いを測る重要な指標です。また、連邦準備委員会(FRB)の金融政策に最も大きな影響を与える経済指標でもあります。
なお、マーケット参加者は特に食品・エネルギーを除いた「コア指数」を重視します。
前回、9月の同指数は前月比+0.1%と、市場予想の同+0.2%を下回る内容となりました。
10月の同指数の市場予想は前月比+0.2%となっています。
高水準で推移する米国の建設許可件数
同日の同時間には、米国の10月建設許可件数(年率換算件数)が発表されます。
建設許可件数は商務省センサス局が公表し、許可申請された住宅の約98%は着工されるため(米国の場合)、住宅着工件数よりも先行性があります。したがって、建設許可件数は米景気先行指数にも採用されています。
前回、9月の同指数は122.5万戸と市場予想の116.5万戸を上回り、2015年11月以来最大となりました。
今回、10月の同指数の市場予想は119.5万戸となっています。
【参考情報】各経済指標の元データ
米国の小売売上高と建設許可件数は商務省センサス局のウェブサイト、米国の消費者物価指数は労働省労働統計局のウェブサイトをそれぞれご参照ください。