IT業界で多重下請け構造が起きる理由。対策はあるか?

各種報道によると、SIer(システムインテグレーション = 顧客の依頼により、情報システム構築~運用・保守を一貫して担う企業)の場合は一次受けが「要件定義のみ」を行い、二次受け以降が開発・実装をする……という構造でありその点の批判も多くありますが、私自身はSIerでの業務経験がないため、言及を控えます。

ただ、私のこれまでの経験上、自社開発できる体力がある開発会社・事業会社であっても、「完全に自社社員のみで賄えるケース」は稀です。

「IT化が求められるプロダクト・業務」が減らない限り、業務委託を依頼したり、開発あるいは運用・保守を外部の企業に再委託したりするケースを完全に排除するのは難しいです。

さらに、新型コロナウイルス流行拡大により、人々の直接の接触が制限されています。インターネットを活用することで、人々の直接接触を防ぐ効果があるため、「IT化が求められるプロダクト・業務」は依然として増加傾向です。

「最後まで自社で開発し、同じチームで保守・管理できる」企業を目指すのがお勧めですが、これも別の難しさがあり、残念ながら明確な解決策はありません。

参考資料

當瀬 ななみ