大方の予想に反してドナルド・トランプ氏が米大統領選に勝利した2016年11月9日は、歴史に残る1日となる可能性が高いのではないでしょうか。今回は、この一大イベント後の投資戦略を、以下の3つの記事から考えたいと思います。

ちなみに、2001年の同時多発テロは9月11日、つまり9.11でした。そして今回は11.9。覚えやすいと同時に、なにかの因縁を感じさせる数字の並びです。

乱高下した日本株、その背景を探る

11月9日の日経平均株価は前日比▲920円安と、大荒れでした。また、1ドル101円台まで円高が進行しました。トランプ氏が当選すれば円高が進み、日経平均は大きく下落するという事前の見方通りの展開でした。ところが、日本の株式市場終了後の為替市場は円高が一服、欧州市場も日本のような大幅安とはならず、その後の米国市場は大幅高となりました。

この乱高下の謎を解くカギは、日本時間の11月9日夕刻に行われたトランプ氏による大統領選の「勝利宣言」にあります。暴言を繰り返してきたのと同じ人物とは思えないぐらい神妙な顔つきで行われた演説の要旨は、以下のようなものでした。

  • 全ての共和党、民主党の党員に対して、米国の国民として団結することを訴えたい。
  • 全ての国と共通のグラウンドを持ち、良好な関係を築いていきたい。
  • 高速道路・橋・トンネル・空港・学校・病院といった社会インフラを再建し、そこで雇用を生み出したい。

内容が極めて穏当であったことや、社会インフラ投資を増加させる、つまり財政支出を増加させるというメッセージが重要です。この発言を受け、将来の米国の財政収支が悪化するという思惑が高まって米長期金利は上昇し、円安が進むことになったのです。

日本株にとって米国経済や為替市場の動向は極めて重要です。トランプ氏が今後も穏当発言スタイルを継続するか、また、公共投資の拡大を公約通りに実行していくかを特に注視したいと思います。

出所:NYダウ上昇、トランプ・ショック後の日経平均見通し(楽天証券)

日本株にサンタクロース・ラリーは来るのか

9日の大暴落の翌日、10日の東京株式市場は一転して大幅高となり、1日で前日の下げを取り戻してしまいました。株価だけに着目すると、「トランプ・ショック」は取るに足らぬ出来事だったことになりました。この値動きは、6月末の「英国EU離脱ショック」とほぼ同じと言っても過言ではないかとも思われます。

では、年末にかけて、上昇相場は期待できるのでしょうか。このカギを握るのは、これまでアベノミクスや日銀緩和の限界を先取りして日本株を大幅に売り越してきた外国人投資家にあると考えられますが、この記事によると、外国人投資家は、ここにきて日本株を“持たないリスク”を感じ始めているとのことです。

もちろん、これから大統領選後の波乱が起らないとも限らないため、買い出動を行うにしても、買うタイミングを分散しながら慎重に進めることが望まれます。とはいえ、ひとたび外国人投資家が本格的に日本株の買い戻しに動けば、年末には19,000円に向けたサンタクロース・ラリーも十分に期待できる可能性は、頭の片隅に入れておきたいと思います。

出所:11月の見通し 不透明感の陰に「持たざるリスク」(ピクテ投信投資顧問)

何を買えば良いのか

では、サンタクロース・ラリーに期待して、どのような銘柄に注目すべきでしょうか。その1つのヒントとなるのが、上述した「公共投資」にあります。実際、11月9日の米国市場では、建設機械大手のキャタピラーが大幅高になりました。

また、今回の選挙では、トランプ氏は非主流派であるとはいえ共和党であること、また上下院ともに共和党が過半数を握ったという点も見逃せないポイントです。歴史的に共和党はウォール街との関係が強いため、金融関連株にも注目したいところです。

出所:[11/9更新] 先ヨミ! 2016年アメリカ大統領選と世界の投資市場をプロが大予測!(楽天証券)

一方、日本株については、下記の記事で著名投資家ウォーレン・バフェット氏の投資手法を参考にした日本株のスクリーニング結果の一端が読めます。長期投資をご検討の方はご参照ください。

ちなみに、バフェット氏は”ヒラリー押し”でしたが、政治は投資とは別物です。また、バフェット氏は長期投資の銘柄選択の手腕には輝かしい実績がありますので、ぜひ参考にしてみてください。

出所:【大富豪の経済学】トランプ大統領誕生パニックの株式市場で魅力ある企業を探す方法(投信1)
 

LIMO編集部