米大統領選の行方が読めずリスクオフ一色だった2016年10月31日-11月4日

2016年10月31日-11月4日の世界の株式市場は、上海株を除いて全面安に終わりました。FBIがクリントン米大統領候補の私用メールサーバの公務利用問題について新たなメールを発見したと発表したことから、大統領選挙の結果に不透明感が高まり、米ドルが売られ、株式から債券へ世界的に資金シフトが起きました。このため世界株はほぼ全面安になりました。

このような投資環境で、どのような投信が人気を集めたでしょうか。このところ、楽天証券のランク上位には新しい顔ぶれが姿を現す機会が増えています。今回も興味深い動きが見られますので、一緒にランキングを見てみましょう。

楽天証券の2016年10月31日-11月4日の週間売れ筋ランキングを見る

まず、楽天証券の全体売れ筋ランキングのトップ5を見ていきます。

第1位:高利回り社債オープン・為替ヘッジ (毎月分配型)

第2位:ニッセイ日経225インデックスファンド

第3位:日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)

第4位:楽天日本株4.3倍ブル

第5位:日本株ハイインカム(毎月分配型)(ブラジルレアルコース)

楽天証券の2016年10月31日-11月4日の積立週間売れ筋ランキングを見る

次に、楽天証券の積立売れ筋ランキングのトップ5を見ていきます。

第1位:ニッセイ外国株式インデックスファンド

第2位:世界経済インデックスファンド

第3位:LOSA長期保有型国際分散インデックスファンド

第4位:ひふみプラス

第5位:ニッセイ日経225インデックスファンド

海外REITファンドが軒並み圏外へ

いかがでしょうか。

ランキング上位から海外REITが一気に姿を消しました。具体的には「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」、「楽天USリート・トリブルエンジン(レアル)毎月分配型」、「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)」の売れ行きが後退しています。

なお、前回ご紹介したオルタナティブ型投信のネット証券専用ファンドシリーズAR国内バリュー株式ファンドも、ランキングから姿を消しています。

根強い人気の毎月分配型の売れ筋には新顔も

海外REITを組み入れる投信の人気は一服しましたが、毎月分配型投信には引き続き根強い人気があるようです。全体ランキングで今回トップに躍り出た「高利回り社債オープン・為替ヘッジ(毎月分配型)」もその1つです。主に米ドル建ての高利回り事業債に投資し、為替リスクをヘッジして、毎月分配を行うという設計です。高利回り社債というのは、信用リスクの高い企業が発行する高金利の社債を意味します。

運用を行う野村アセットマネジメントの2016年10月31日付け月次資料によれば、2016年10月31日現在の平均最終利回り(為替ヘッジ後)は6.7%となっており、これが信託報酬と分配金の原資になります。原理としては海外REITをベースにした毎月分配型に似ていると言えるでしょう。

米大統領選が終わり、アメリカの新しい経済運営に不透明要因が増えてきました。為替の行方もわかりにくくなります。このような環境で、為替リスクをヘッジしながら高利回りを狙い毎月分配金を受け取る投信が、さらに人気を集めていくか注目です。

 

LIMO編集部