「年金を早くもらうと損?お得?」本当はどちらか

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年金は本来65歳から受給できますが、様々な理由から早く受け取りたいと思っている方も多いと思います。

早く受給する場合はメリット・デメリットを知った上で判断したいものです。

今回は10年以上日系金融機関に勤めていた私から、年金を早く貰うと損なのか得なのかを解説していきたいと思います。

年金を早く貰う場合の注意点は?

では、65歳前に年金受給を繰上げる場合の注意点を見ていきましょう。

日本年金機構の「繰上げ請求の注意点」を見るといくつかの注意点が書かれていますが、少し難しい文言が多いので、ポイントだけ少し噛み砕いてご説明していきます。

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繰上げ受給の注意点その1

ひとつめは年金受給額が受給開始を早めた時期に応じて減額されるという点です。

例えば老齢基礎年金を「全部繰上げ」で請求した場合だと、以下の様な計算になります。

  • 減額率=0.5%×繰上げ請求月から65歳に達する日の前月までの月数

日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法」の令和2年4月分からの国民年金の年金額78万1700円(満額)で計算すると、仮に60歳からの繰上げ受給を申請した場合、0.5%×60ヵ月=30%の減額になるので、受給額は54万7190円へ減額されてしまいます。

繰上げ受給の注意点その2

一度繰上げ受給をしてしまうと後で取り消しや変更ができません。先程計算された減額率は一生適用されることになるという点です。

繰上げ受給の注意点その3

繰上げ受給を請求した後は、基本的に事後重症などによる障害基礎年金を請求することが出来なくなります。

繰上げ受給の注意点その4

寡婦年金は支給されなくなります。寡婦年金とは国民年金の第一号被保険者として一定以上の保険料を納めた夫が亡くなった場合に妻に支給される年金のことです。

繰上げ受給の注意点その5

65歳になるまで遺族厚生年金・遺族共済年金を併給できなくなります。

他にも細かい注意点はいくつかありますが、ざっとポイントだけ申し上げると上記の様になります。

羅列した注意点だけでも、デメリットが多いなと思われた方は多いのではないでしょうか?

繰上げ受給する場合は、ぜひ慎重に判断することをおすすめします。

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執筆者
佐藤 雄基

法政大学経営学部卒業後、大和証券株式会社に入社。国内外株式、債券、投資信託、保険商品の販売を通じ、個人、法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に約11年間従事する。大和証券退職後は、不動産ベンチャーのGA technologiesに入社。一貫して金融業界に携わり、豊富な金融知識を活かし、卓越した営業成績を残す。現在は、個人向け資産運用のサポート業務を行う。顧客のニーズを的確に判断し、専門的でありながらも、わかりやすいアドバイスが強み。AFP(Affiliated Financial Planner)、一種外務員資格(証券外務員一種)を保有。