日本企業も巻き込まれる危険。中国への反発強めるミャンマー市民

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ミャンマーでは2月1日の国軍によるクーデター以降、国内の治安悪化に歯止めが掛からない。既に200人以上の市民が治安当局から発砲を受けるなどして死亡したとされ、人権弾圧や拷問などが今も続いている。

暴力がエスカレートするミャンマー情勢

最大都市ヤンゴンや首都ネピドー、第二の都市マンダレーなどでは毎日のように市民による抗議デモが発生し、いつどこで衝突が起こっても不思議ではない状況だ。

こういった政治的混乱が長期化すると、最前線で市民に対抗する兵士や警察官の士気が下がるだけでなく疲労感も高まり、銃器の使用など暴力へのハードルが下がる場合も少なくない。

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兵士や警察官は、混乱によって市民が武装化しているなどとして暴力をエスカレートさせる傾向もみられる。米国などは国軍幹部へ経済制裁を発動するなどしているが、その影響は極めて限定的で事態を好転させるものではない。

ミャンマーに強い影響力を持つ中国が依然として静観する姿勢を崩しておらず、国際社会からの圧力はあまり期待できない状況だ。短期的に事態が落ち着く可能性は極めて低く、中長期的な被害が懸念される。

中国系企業への襲撃、日系企業にもリスク

そのような中、3月中旬、最大都市ヤンゴンで複数の中国系企業の工場が民主派のデモ隊に襲撃、放火される事件が発生した。中国は一帯一路構想に基づきミャンマーへ深く浸透しているが、市民の中には中国への反発を強める人々も少なくない。

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執筆者

清和大学講師/ オオコシセキュリティコンサルタンツ アドバイザー、岐阜女子大学特別研究員、日本安全保障・危機管理学会主任研究員を兼務。専門分野は国際政治学、安全保障論、国際テロリズム論。日本安全保障・危機管理学会奨励賞を受賞(2014年5月)、著書に『テロ、誘拐、脅迫 海外リスクの実態と対策』(同文館2015年7月)、『「技術」が変える戦争と平和』(芙蓉書房2018年9月)など。研究プロフィールはこちら