日本的下請け制度が毎回入札の部品調達より合理的な理由

下請け制度は、毎回入札で部品を調達するより合理的で、下請けにとっても発注側にとってもウイン-ウインの関係だ、と筆者(塚崎公義)は考えています。

毎回入札は、低価格でもコストが大

企業が部品を調達する時、下請けを決めておいて毎回同じ部品メーカーから調達する場合と、毎回入札して最安値で落札した部品メーカーから調達する場合があります。

米国では毎回入札が合理的だと思われているようですが、日本では下請けからの調達が多いようです。日本では労働力も終身雇用ですし、部品も下請けからですし、長期安定的な取引が多いようですね。

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直感的には「最も安いところから買うのが合理的だ」と思えますが、日本で下請けが一般的であることを考えると、そうとも言い切れないのでしょう。今回は、その理由を考えてみましょう。

すぐに思いつくのが「入札するにはコストがかかる」ということですね。加えて、落札した部品メーカーと種々の打ち合わせをする必要もあるでしょう。毎回使っている下請けならば、入札の手間も不要ですし、打ち合わせも「前回どおりで」の一言で終わりですから。でも、理由はそれだけではありません。

情報の非対称性がコストを生む

他人がウソをついているか否かを知ることは容易ではありません。将来は技術が進歩して完璧なウソ発見機ができるのかもしれませんが、それまでの間は相手がウソをついているのか否かを見破る工夫、あるいは相手がウソをつかないための工夫が必要でしょう。

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執筆者
塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。【近著】なんだ、そうなのか! 経済入門』『老後破産しないためのお金の教科書』『経済暴論: 誰も言わなかった「社会とマネー」の奇怪な正体』『一番わかりやすい日本経済入門』『日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由【雑誌寄稿等】Facebook、NewsPicks、アメブロ等にて適宜ご紹介