業種別の平均年収
次に業種別の平均年収を見てみましょう。
業種によって、平均年収に大きく差が出ています。一番高いのが「電気・ガス・熱供給・水道業」の 824 万円、次に「金融業・保険業」の 627万円、その次が「情報通信業」の599万円となっています。
一方、平均年収の低い業種を見ていくと、最も低いのが「宿泊業,飲食サービス業」の 260 万円、次に「農林水産・鉱業」の297万円、その次が「サービス業」の359万円となっています。
構成割合から中央値も算出しています。平均年収が一番高い「電気・ガス・熱供給・水道業」は、800万円超が50.4%と半分以上を占め、中央値も高くなっています。平均年収が一番低い「宿泊業、飲食サービス業」は、100万円以下の割合が27.2%と一番多くなっています。
中央値は平均値よりも実感に近いと思いますので参考にしてみてください。
新入社員の平均年収は?
厚生労働省の賃金構造基本統計調査から学歴別の初任給を見てみましょう。
初任給では男女差はあまり見られません。やはり勤続年数や昇給などで差がついていくようです。この額は月給なので、単純に12カ月をかけて年収にしてみると、大学院修士過程修了では287万円、大学卒では252万円、高専・短大卒では、221万円、高校卒では201万円となります。
また、ボーナスがある場合はボーナス月数を入れて、14ヵ月、16ヵ月などをかけておおよその年収を出すことができます。たとえば、年2回2カ月分のボーナスが出る場合、大学卒であれば、年収336万円となります。これはあくまでも初任給の平均から割り出した年収なので、実際は業種、企業規模などによって大きく異なってくるでしょう。
さいごに
今もらっている年収が高いのか低いのか気になっていた人は、平均年収を知ってどう感じたでしょうか。平均にするとどうしても一部の高収入者の年収額が反映されることで、高く感じられることがありますので、中央値を参考にするとより実態に近づくと思います。
また、年収は業種や会社の規模、そして勤続年数によって大きく変わってきます。今の業種は平均年収が低いから、年収の高い業種に転職したいと考える人もいるかもしれません。しかし、そうすると、勤続年数が振り出しに戻ってしまいます。転職を考える人はこれらの兼ね合いを考えて選択をしてほしいと思います。
参考資料
石倉 博子