50代でも貯蓄ゼロは何割か
前ページの家計の金融行動に関する世論調査を参考にして、50代貯蓄額の平均値と中央値を見比べました。
同調査では「金融資産を保有していない」と回答した人が50代全体の中で13.3％を占めているという結果も出ています。
50代は確かに、一般的に見れば金銭的にも余裕がありそうな印象があるというのは冒頭にも述べたとおりですが、実際は金融資産を保有していないという人が約10人に1人というのが現状です。
老後を目前にして、貯蓄がゼロという事態はできるだけ避けたいものです。
50代が貯めておくべき貯金額はいくらか
「老後」と聞くと「老後2000万円問題」を思い出す人も多いのではないでしょうか。
「老後2000万円問題」とは、2019年に金融庁が発表したレポートのことで、老後の年金生活では約2000万円が足りなくなるという内容のものです。
この計算のモデルとなっている世帯は、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯です。
実収入は月20万9198円で、ほとんどが年金受給額です。毎月の実支出は26万3718円で、実収入から実支出を引くと、毎月5万4520円が赤字になります。
仮に、この赤字家計が30年続くとすると、赤字は約1980万円まで膨れ上がってしまいます。この計算が「老後2000万円問題」の根拠となります。
