長引くコロナ禍の影響で、給料が激減したり会社が倒産したりと経済にも大きな打撃がありました。クレジットカードの支払いを滞納していたり、カードローンなどで借入をしたりと資金のやりくりに難儀している人もいるかもしれません。
複数の消費者金融からお金を借りていたり、多額の借金を抱えたりして支払いがままならなくなった場合は、弁護士や司法書士を通して相応の対策を行うことになります。借金の程度や財産の有無によって、任意整理・個人再生・自己破産といった選択をとる場合が多いですが、個人の借金清算でもっとも重たい状況が「自己破産」でしょう。
裁判所の「司法統計月報(速報値)」より令和2年12月の「破産事件」についてみてみると、全地方裁判所での破産事件総数は7,393件、そのうち自己破産は7,351件(うち自然人6,859人)でした。1年を通しての累計は78,104件にのぼり、多くの人が破産という現実を突きつけられていることが見てとれます。
今回は、そのような支払いに窮する個人を数多く見てきた、カードローン会社の元社員たちから「お金が貯まらない人」のNG行動について話をうかがいました。
目の前の誘惑に弱い
「意外と多いのは、1回1回はそこまで大きなお金を使っているわけではないのに、個人再生や自己破産にまで至ってしまうケース。ファッション代や飲み代などの積み重ねでいくつもの会社からお金を借り、自転車操業に陥ってしまうのです。収入の少ない若い人にも見られます」(Iさん)
収入を上回る買い物を繰り返してしまう、好きな人に頼まれたらお金を払ってしまう、支払いに回すはずだったお金を浪費してしまうなど、「目の前の誘惑に弱い」人は要注意。ギリギリの生活で普段はなんとか過ごしていても、事故や病気といった予期しない多額の出費があった際に破綻してしまうことも考えられます。
お金を使いすぎてしまう、毎月いくら出費しているのかきちんと把握していないという方は、まずは自分の収支を確認してみましょう。スマホのアプリなど簡単な方法で家計簿をつけることもできるので、まずは入ってくるお金と使ってしまうお金を把握し、バランスをとることが先決です。
危機管理がおろそか
「支払いが滞るのはだいたい同じ人で、過去にもそうなっているケースがあります。払えないという状況はそもそも非常事態。原因と対策が分かってないと、同じことを繰り返すようになります。危機管理がおろそかであればいつまでたってもお金は貯まらないでしょう」(Tさん)
お金が足りなくなってしまう状況は社会情勢や会社事情などにもよりますが、いずれにしても支出が収入や貯蓄を上回っている時点で、生活に無理が出ていることは明白でしょう。
それでも見て見ぬふりをして日々のやりくりだけを見ていても、原因を把握していないと不安は払しょくできないのではないでしょうか。「危機管理がおろそか」であると、将来的な見通しが立たず最悪のケースとなることもあるのです。
自分の支出や負債を把握して、将来的な道筋を立てることはお金を増やすうえでも重要です。また、いざというときの救済方法を模索する力も必要だといえるでしょう。
誠意がない
「連絡がつかなくなったり、約束を破ったりする人にはいい印象を持てません。連絡がつかなければ、フォローのしようもないですから。やはり、状況をきちんと伝えてくれるなど誠意ある対応をしてくれる人のことは、信頼しようという気持ちになるものです」(Mさん)
危機的な状況に陥ったときこそ、人の本質は表れやすくなります。問題から逃げたり嘘で取り繕ったりしても、結局はその場しのぎにしかなりません。これは日常生活でちょっとした失敗をしたときも同じです。問題を放置したことで、あとあと取り返しのつかないことになった経験をした人も少なくないのではないでしょうか。
仕事・プライベートのどちらでも「誠意のない人」は周りの人々を遠ざけてしまうおそれがあります。日頃から周りの人を大切にしている人は、ピンチのときにも助け船が出てくるものです。
家計管理も同じ。お金は暮らしそのもの
お金をやりくりするという点では、家計管理に関しても同様のことがいえます。目の前の誘惑に惑わされ、支出が収入を超えるような家計を続けていてはすぐに生活が破綻してしまいます。そして危機的な状態になったことを隠したり嘘をついたりしては、取り返しのつかないことになりかねません。
目の前の状況だけを見てお金をやりくりするのではなく、きちんと見通しをもって行動し、いざというピンチをどうするかを知識として持つだけでも将来は変わってくるはずです。
お金のことを考えるというのは、暮らしや仕事と向き合うことにつながります。「お金が貯まらない」と考えている方は、今一度自分の暮らしそのものに目を向けてみてもいいかもしれませんね。
参考資料
古谷 梨子
