コロナ禍で迎えた2度目の春。

3月も半ばにさしかかり、現役世代の中には、1年を通じて一番忙しい「年度末」の業務に追われていらっしゃる方も多いでしょう。

そして3月といえば別れの季節でもあります。今月末で定年退職の日を迎える方も多くいらっしゃるかと思います。

長い現役生活にピリオドを打たれる皆さん、お疲れさまでした!

今回は、こんな季節にふさわしく、『イマドキ60代「ほんとうの貯蓄額」平均はいくらか』と題し、定年退職・年金生活をスタートされる方が多い「60代」のお金事情について眺めていきます。

イマドキの60代はどのくらい金融資産を持っているのか

ここからは、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年調査結果」をもとに、定年60代のお金事情についてみていきます。

まずは、同調査結果より、60代の「金融資産保有額」をみていきます。

定年退職金としてまとまったお金が手に入ったばかり、という方も多い60代。この世代の預貯金額は、実際にはどのくらいなのでしょうか。

60代の金融資産保有額

  • 平均額・・・1745万円(中央値:875万円)

60代の金融資産保有額の平均額は、2000万円にあと少しで手が届きそう、というイメージでしょうか。

では、この金融資産の種類別保有額を見ていきます。要は資産の内訳ですね。

平均値と中央値って、どうちがうの?

「中央値」とは、数値を小さい順、あるいは大きい順に並べた時、その真ん中にくる数値のことです。

平均値は、もちろん参考となる値ですが、一部の極端に大きい値(この記事でいうと「お金持ち層」)に左右されるため、実感とかけ離れた値になってしまうことがあります。よって、中央値の方が実勢に近い数値といえます。

種類別金融商品保有額(金融資産非保有世帯を含むすべての世帯)

預貯金(うち運用または将来の備え)…959万円

  • うち定期性預貯金…585万円

金銭信託…5万円
生命保険…286万円
損害保険…39万円
個人年金保険…134万円
債券…45万円
株式…144万円
投資信託…96万円
財形貯蓄…27万円
その他金融商品…11万円

計1745万円