収入が増えれば見栄の必要性がなくなる

見栄を張る根本的事情には、マズローの欲求5段階説における「承認欲求」が満たされない事情に立脚していると考えます。そして収入が多い人ほど、見栄を張る論理的必要性がなくなる立場にあるのです。

収入が多い人は経営者や医者、大手マスコミや商社などについている傾向にあり、高収入と世間的に思われている社会的地位の高さには、全てではないにしろ、ある程度の相関関係が存在します。たとえば医者や弁護士は「先生」と呼ばれたり、稼いでいる経営者は取引先やクライアントから一目置かれたり、丁重に扱われることで承認欲求は満たされます。

承認欲求が満たされると、わざわざコストをかけてまで見栄を張って精神的充足を求める必要はなくなります。見栄を張るムダなコストを抑えるためには、承認欲求をお金で買う行動から抜け出す必要があります。

収入が増えると、衝動買いが消える⁈

筆者はかつて、収入が少ない時期は「ショッピング」がストレス解消でした。買いたいものもないのにショッピングセンターを巡っては、使う予定もないのに安い家具や日用品を買っていました。秋葉原にいって、掘り出しものを見つけ出して買うのが趣味でした。

雨の日も自宅でショッピングサイトを巡って、「安いもの」を買うことに楽しさを覚えていました。今思えば買い物をすること自体が、仕事で抱えるストレス解消となっていて、「価値が高い=安いもの」という思い込みがありました。閉店前のスーパーで半額シールが付けられた惣菜を見つけるのが楽しく、でもたくさん買い込みすぎて食べきれずに腐らせるというムダなことをしていました。

しかし、今は必要なもの以外は一切買いません。収入が増えると「買おうと思えばいつでも買える。必要になった時に買えばいい」という気持ちになります。家電や家具を買う時は、今使っているものを捨ててリプレースする時に限ります。そして収入が増えて時間単価が高まることで「時間>お金」という価値観になっていきます。お金は時間があれば稼げますが、時間はお金では買えないからです。

「安物買いの銭失い」という言葉があるように、原価の安い物ほど壊れたり、メンテナンスする手間が発生する確率が高まります。良質な商品は長持ちしますから、頻繁に買い直したりメンテンスの手間がなくなるサイクルに入るのです。