住宅ローン破綻、金融機関が容赦なくなるのはどんなときか

ローン残高と評価額を把握する必要性

金融機関は、この不足分▲500万円の返済を繰り延べたり、新たなローンとして設定したりするような生ぬるいことはしません。自宅は強制的に競売に掛けられ、自己破産を迫られます。あるいは任意売却の手続きが取られますが、いずれにせよ抵当権設定者である金融機関の主導で行われます。

これを「オーバーローン」と称します。“まさか、そこまではしないだろう”、“一定の猶予期間はあるだろう”という希望的観測は甘いと言わざるを得ません。

ローン残高と自宅の評価額を常に注視すべき

こうした「オーバーローン」に陥る可能性を少しでも低くするためには、常日頃からローン残高と自宅の評価額を把握しておくべきでしょう。自宅の評価額に関しては、様々なサイトで大まかな額を調べることが可能です。

ただし、この評価額(=市場取引額)は、買い手と売り手の需要で決まりますから、投資家のニーズ、大きな経済変動、自然災害などで常に変動します。

特に、最後の自然災害による影響は、一定のタイムラグを置いてから表面化するため注意が必要です。ある日調べてみたら、自宅の評価額が考えていた以上に下落していることは決して珍しくないのです。

住宅ローンの返済が順調に進んでいて、この先も滞る懸念がないならば、こうした心配は無用です。

しかしながら、前掲の既に破綻した2~4%の借入債務者も、最初から破綻のリスクに直面していたわけではありません。ある日気が付いたら、住宅ローンの返済が困難に陥っていたというパターンが多いのです。そして、これは破綻済みの3倍程度いると見られる破綻予備軍も同様です。

何の懸念もなく順風満帆な人でも、ぜひ一度調べて見てください。今回のコロナ禍のような危機が突然やって来ても対処できるように。

マネイロセミナー

葛西 裕一

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執筆者

国立大学卒業後、国内・外資系の金融機関にて23年勤務後に独立。証券アナリストなどの職務を経験し、ファイナンシャルプランナー関連等の金融系資格を多数保有。専門は株式投資、貴金属投資、年金、相続、不動産。