1.求人広告から見抜く

では実際に「ヤバイ会社」をどう見抜けば良いのでしょうか。その一つ目は、求人広告から探る方法です。以下の項目に当てはまる会社には、少し注意してみてください。

  • 一年中常に人材募集をしている
  • 「未経験歓迎」を前面に出している
  • 平均年齢が20代、若手社員が活躍中
  • 「アットホームな社風」といった雰囲気がウリ
  • 「やりがい」「成長」「充実」「達成感」など精神論を匂わせる
  • 給与などの待遇が他社に比べて良すぎる
  • 事業内容や仕事内容が抽象的でイメージしにくい

常に求人広告を出している会社はそれだけ人手不足ということで、社員が定着しない理由がありそうです。また「未経験歓迎」は個人の能力よりも“数”の確保を優先しており、やはり人が定着しないか、そもそも人気がないといった背景が見え隠れしています。

若手社員が多い職場は活気があって良さそうに思いますが、中堅以上の社員には労働環境・条件が悪く続かない、体力のある若者を“使い捨て”にしている、とも考えられます。

「アットホームな社風」をウリにしている会社は、休日や業務時間外の付き合いが多かったり、必要以上の仲間意識や連帯感を求められたり、プライベートまで干渉される可能性もあります。そして「やりがい」や「成長」なども要注意ワード。魅力的な言葉ではありますが、きつい仕事やパワハラ環境の言い換えに過ぎないかもしれません。

給与が良すぎる場合は、必ず何か理由があるはずです。特別なスキルや経験が求められる場合は別ですが、それだけの待遇を用意しなければならない仕事や職場とも言えます。

事業内容や仕事内容が抽象的でよく分からない場合も危険です。横文字を並べた一見スタイリッシュなイメージでも、ふたを開けてみたら思わぬ仕事まで任せられた、怪しいビジネスを展開していた…なんていうケースも。

もちろん、これらに該当する会社が必ずしもブラック企業というわけではありません。しかし疑わしい会社によく見られる傾向ですので、十分に用心してください。

2.幅広い情報収集から見抜く

求人広告以外にも、今は色々な情報源を頼りにすることができます。例えば転職の口コミサイトでは在籍者や退職者のリアルな声を知ることができ、会社からの発信とは別の角度で非常に参考になります。過信は禁物ですが、気になる会社の一面を知るのに有効でしょう。最近ではSNSも活用できます。

会社情報を集めた書籍やネット上の情報で、離職率について調べるのも一つの手です。非公表の会社も多いものの、過去の情報からおおよその傾向を知ることはできます。

また、 厚生労働省では「労働基準関係法令違反に係る公表事案」としてブラック企業に相当する会社の一覧を公表しています。時間が経つと削除されてしまいますが、気になる場合は目を通しておくと良いでしょう。