2021年2月12日に行われた、大塚ホールディングス株式会社2020年12月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:大塚ホールディングス株式会社 代表取締役社長 兼 CEO 樋口達夫
大塚ホールディングス株式会社 取締役CFO 牧野祐子氏
大塚ホールディングス株式会社 執行役員 経営企画部長 江村智博 氏

2020年12月期決算説明会

樋口達夫氏(以下、樋口):樋口でございます。新型コロナウイルス感染拡大によりまして、2020年度決算説明会は電話会議での開催となりましたが、大変多くのみなさまにご参加いただき、誠にありがとうございます。初めに、新型コロナウイルス感染により亡くなられた方々へご冥福をお祈りするとともに、この状況下で懸命に努力されておられます、医療関係者のみなさまへ感謝いたします。

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2020年度は第3次中期経営計画の2年目でしたが、第1四半期の終盤よりCOVID-19感染拡大によりまして、非常に難しい経営環境となりました。そのような状況におきましても、当社は、既存事業価値の最大化のための重点施策を着実に実行するとともに、変化する環境への対応をいち早く行い、その成果が早期より表れたため、期中に2度の事業利益計画の上方修正を行いました。最終結果といたしましても、ほぼ修正した計画を達成することができ、前年対比でも増収増益を達成することができました。

業績の詳細は、後ほど牧野より説明いたしますが、この厳しい環境下での好業績には、大きく2つのポイントがあると考えています。まず第一に、医療関連事業において、当社は医療上のニーズが高い領域での研究開発にチャレンジしまして、これまでにグローバル4製品を中心に、薬剤満足度の向上に寄与する多くの製品ラインナップを揃えてきたこと。

そして、NC関連事業におきましては、コロナ禍における市場の変化による影響があったものの、世界の人々の健康の維持・増進に寄与する、生活者のニーズに沿った多様な製品群で事業を行うことによりまして、前年以上の売上収益を確保できる事業基盤を作り上げてきたことであります。

2つ目といたしまして、常に中長期的視点を持ちまして、将来起こり得るさまざまなリスクや環境変化に対応するため、先を見越しました準備・取り組みを、バリューチェーンの各部門で行っていたことであります。これによりまして、医療関連事業において特に重要となる、製品の安定供給も継続して実現できており、さらに販売・マーケティング部門等、多くの部門におきましても環境変化に対応した、より効率的で効果的な事業活動ができたことにより、コストの効率化も実現できたことであります。

これらの結果、第3次中期経営計画の業績目標に関しましては順調に推移していることから、後ほど、私からは「社会への貢献と持続的な成長を実現するために~中長期視点による新たな取り組み~」と題しまして、環境変化の中での当社の事業の方向性につきまして、ご報告いたします。

当社は、独自のトータルヘルスケア企業として今こそ真価を発揮し、大塚だからできる、新たな社会への貢献に引き続き取り組むとともに、世界の人々の健康意識の高まりを成長機会と捉えまして、持続的成長の実現に向けて進んでまいりたいと思います。みなさまのなお一層のご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げるものであります。

アジェンダ①

牧野祐子氏:それでは、2020年度連結業績についてご説明いたします。3ページをご覧ください。本日のアジェンダはこちらの3項目です。

決算ハイライト

4ページをご覧ください。まず初めに、2020年度における決算ハイライトについてご説明いたします。2020年度は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、当社グループの事業活動も一定の影響を受けたものの、多様な事業が貢献したことにより、事業利益は上場以来の最高益となる2,169億円を達成いたしました。医療関連事業は、グローバル4製品の売上収益が14.5パーセント成長し、連結業績を牽引しています。

NC関連事業については、新型コロナウイルス感染拡大および日本の天候不順の影響により、機能性飲料等が影響を受けましたが、「ネイチャーメイド」「デイヤ」「エクエル」などの製品が成長した結果、前年並みの業績を確保いたしました。大きく変化した社会環境においても、多様な製品群がそれぞれの特徴を発揮して、新たな成長機会を作り、人々の健康に貢献することができました。

2021年度の連結業績の見通しにつきましては、売上収益は、「イーケプラ」と「スプリセル」の共同販売契約終了に伴う減収を、グローバル4製品およびNC関連事業などの多様な事業でカバーすることにより、2020年度並みの計画としています。また、研究開発費投資前事業利益につきましては、「ジンアーク」の当初計画を超える大幅な増収増益もあり、第3次中期経営計画を超えて進捗する見通しです。

連結業績の概要|2020年度

5ページをご覧ください。続きまして、2020年度の連結業績の概要についてご説明いたします。連結売上収益は、主に医療関連事業におけるグローバル4製品の伸長により、1.9パーセント増収の1兆4,228億円となりました。また、重要な業績目標の一つである、研究開発費投資前事業利益は7.6パーセント増益となり、事業利益、当期利益もそれぞれ15.9パーセント、16.5パーセントと大きく増加しました。

なお、11月公表計画に対しては、持分法適用会社の一部業績が計画を若干下回りましたが、おおむね達成しています。

連結業績|事業利益

6ページをご覧ください。こちらのスライドは事業利益の前年との差異を示したものです。先ほどご説明したとおり、医療関連事業における自社創薬品であるグローバル4製品の貢献により、売上収益が266億円増加。事業利益は15.9パーセント増加し、2,169億円となりました。なお、医療関連事業とNC関連事業の事業利益の増減要因については、参考資料にございますのでご確認ください。

連結業績|事業セグメント別の売上収益と事業利益

7ページをご覧ください。続きまして、事業セグメント別の売上収益・事業利益についてご説明いたします。医療関連事業が、前年比で売上収益3.3パーセント、事業利益17.9パーセントと大きく伸長し、連結業績の増収増益を力強く牽引しています。NC関連事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響や、日本の天候不順の影響もありましたが、売上収益および事業利益は前年並みとなりました。

医療関連事業|売上収益

ここから、医療関連事業とNC関連事業についてご説明いたします。

8ページをご覧ください。まず、医療関連事業の売上収益です。グローバル4製品の売上は、前年比で14.5パーセント増加し4,297億円となり、引き続き増収に大きく貢献いたしました。一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、患者の受診抑制や手術件数の減少、および病床稼働率の低下により、輸液や一部の治療薬が影響を受けたほか、「イーケプラ」の共同販売契約終了により減収いたしました。以上の結果、売上収益は3.3パーセント増加の9,552億円となりました。

NC関連事業|売上収益

9ページをご覧ください。次に、NC関連事業の売上収益についてご説明いたします。機能性飲料等は、コロナ禍に伴う消費者の活動量の低下、および日本の天候不順によって、主に「ポカリスエット」が影響を受け、減収となりました。

機能性食品等において、N&S社は植物性食品の家庭内消費等を中心に回復基調となりましたが、欧州の都市封鎖や為替の影響を受け、減収しました。一方、「デイヤ」は、北米におけるチーズ代替品の市場成長および家庭内需要の増加により、増収となりました。

サプリメントにおいて、「ネイチャーメイド」は、消費者の体調管理への意識の高まりに伴い、ビタミン剤などの製品を中心に順調に推移しました。「エクエル」は、幅広い情報提供活動により製品の認知が進み、売上が順調に成長しました。以上の結果から、NC関連事業の売上収益は、前年と同水準の3,341億円となりました。

2021年度 連結業績の見通し

10ページをご覧ください。2021年度の連結業績の見通しです。

冒頭でもご説明いたしましたが、売上収益はグローバル4製品とNC関連事業の成長により、「イーケプラ」および「スプリセル」の契約終了による約700億円の減収を打ち消し、前年並みの計画としています。2製品の契約終了による影響で、事業利益は約500億円の減少となりますが、成長製品群による大幅な増収効果により、前年比約270億円程度の減益にとどめることができる見込みです。第3次中期経営計画と比較すると、300億円増益となる見通しです。

以上が、2020年度の連結業績と、2021年度の業績見通しの説明となります。ありがとうございました。

アジェンダ②

樋口:社会への貢献と持続的な成長を実現するために、当社が行っています中長期的視点の新たな取り組みについて、ご説明いたします。17ページをご覧ください。本日のアジェンダです。こちらの3項目についてご説明いたします。

アンメット・ニーズ解決へ貢献するパイプライン・製品群

2021年は第3次中計の中間年に当たりますので、次期の中計を見据えた次世代製品の戦略を、ここでお話ししたいと思います。

19ページをご覧ください。当社はアンメット・ニーズ解決に向けて、スライドに示すような数多くのパイプラインを揃えています。いまだに適応症を持った薬剤がない領域や、薬剤治療満足度が低い領域でのパイプラインがほとんどでありまして、アンメット・ニーズ解決への貢献とともに、大きな市場ポテンシャルがあると考えています。精神・神経領域およびがん領域につきましては、掲げるテーマに沿いまして研究開発を進めていますので、後ほどご説明いたします。

循環器・腎領域はファースト・インクラスの製品を創出いたしまして、次世代のコア領域へと育成いたします。

アンメット・ニーズ解決へ貢献するパイプライン・製品群|市場性

20ページをご覧ください。前のスライドでご紹介したパイプラインの上市時期と、市場性をイメージしたスライドでございます。いずれも、ファーストインディケーションや最初の追加適応症の取得を想定した、上市時期と市場性のイメージ図でありまして、今後のライフサイクルマネジメントによりまして、さらに大きな市場性が見込めると考えています。

精神・神経領域|売上世界トップクラスへの挑戦

21ページをご覧ください。精神・神経領域におきましては、第3次中計発表時から、「OPC-64005」と「OPC-214870」の2つのプロジェクトで新たな試験を開始いたしました。アンメット・ニーズ解決が可能な、高いポテンシャルを持つ開発品と製品群を多く揃えており、当領域におけるグローバルプレイヤーとして、トップクラスを目指せる数少ない企業の一つだと確信しています。引き続き、当領域への積極的な成長投資で、「精神・神経領域の大塚」としての地位を確固たるものにしていく所存であります。

難治性がん・難創薬ターゲットへの挑戦

22ページをご覧ください。もう一つのコア領域である、がん領域の戦略について、ここでご説明いたします。大鵬薬品が進めていますシステイノミクス創薬、そして、Astex Pharmaceuticalsが持つ「fragment-based drug discovery」などの独自の創薬基盤技術を活用しまして、難治性がん・難創薬ターゲットへ挑戦することで、患者さんに画期的な新薬をお届けします。

また、外部およびアカデミアとの提携をさらに推進することによりまして、当社グループが持っていない創薬技術や、創薬手法へのアクセス向上を図るとともに、協業やスピンアウト、導出を通して開発を加速いたします。以上の取り組みを通じて、難治性のがん・難創薬ターゲットへ挑戦を続け、画期的な新薬を必要とする患者さんへ、生きる勇気と力をお届けしたいと思っています。

がん領域|スペシャリティファーマを目指して

23ページをご覧ください。がん領域では、スペシャリティファーマになることを目指しています。海外メガ・ファーマを含め多くの企業が、がん治療薬の開発に取り組んでいる厳しい競争環境の中、これまで独自の創薬基盤技術で、難治性がんや難創薬ターゲットに挑戦いたしまして、パイプラインを充実させてまいりました。現在、臨床開発を進めている、それぞれのプロジェクトの確実な上市を進めるとともに、適応拡大を着実に推進いたします。

第3次中期経営計画期間中の残り3年間に、さらに5つの承認申請を目指し、これらを成功裏に導くことで、第5次中計の期間中に、がん治療の売上規模を2倍にすることに挑戦いたします。

持続的成長を実現するための経営資源配分の見直し

24ページをご覧ください。目まぐるしく変化する社会環境の中、日々、事業を多角的に分析・評価しつつ、改革を進めています。医療関連事業におきましては、環境変化に対応できるように、経営資源の配分の見直しを進めています。プロジェクトごとに、開発計画の進捗状況や市場性などをより厳しく評価・分析、そして優先順位を見直すとともに、新たな成長投資の原資を作り出す方針であります。

アンメット・ニーズ解決へ貢献する次世代の事業を育成しまして、持続的成長を実現するための最適な経営資源配分で、マネジメントをさらに強化いたしてまいります。

社会環境の変化と大塚の目指すトータルヘルスケアの方向性

これまで、アンメット・ニーズ解決へ貢献する、次世代の事業への取り組みをお話ししてまいりましたけれども、SDGsの視点を踏まえた社会課題に貢献する取り組みを、ここからはご紹介させていただきます。26ページをご覧ください。

新型コロナウイルス感染症はいまだ拡大局面にありまして、収束時期が予想できない状況が続いています。その影響は広い範囲に及び、社会的活動は大きく制限され、ライフスタイルの変化、経済モメンタムの低下、さらには人々の心理的不安定さが起こっています。新型コロナの拡大は、従来から指摘されていた社会課題を増幅させるとともに、新たな課題をも追加し、企業活動にとって大きなリスクとなっています。

こうした大きな変化に対しては、従来の延長線上での考え方では対応できず、俯瞰的に事業を見つめ直しながら、変化に柔軟に対応することが求められています。持続的な社会の実現、すなわちSDGsを意識し事業活動を行うことが、ますます大事になってきています。

これまでも申し上げてきましたとおり、当社グループはトータルヘルスケアの考えの下、健康の維持・増進、病気の診断から治療までを担う企業活動を進めていますが、この揺るぎない企業理念を追求し、大塚だからできる、新たな社会における健康へ貢献してまいりたいと思います。

社会課題に寄り添う大塚の取り組み|SDGsの視点

27ページをご覧ください。第3次中期経営計画や統合報告書で紹介しています、大塚グループのマテリアリティの抜粋でございます。大塚グループでは「社会課題の解決」をテーマに、企業理念の下、自らの持続的な成長と、健康でサステナブルな社会の実現を目指しています。表の右にSDGsの番号を紐解いていますけれども、我々の活動はSDGsの達成に寄与するものと考えています。その中から、健康に関連する取り組みの事例について、ここではご紹介いたします。

古くて新しい病気「結核」に立ち向かう

28ページをご覧ください。結核は、現代におきましても最も死亡者数が多い感染症の一つでありまして、既存の治療薬に抵抗性を示すために治療の難しい結核、いわゆる多剤耐性結核は、深刻なパブリックヘルスの課題となっています。現在のコロナにおきましても変異株の出現が問題となっており、感染症との長期における戦いが課題とされています。

大塚製薬は30年以上にわたりまして、研究開発の末、抗結核薬であります「デルティバ」を、多剤耐性結核の治療薬として開発いたしました。より多くの患者さんに「デルティバ」をお届けできるように、さまざまな国・地域における薬事承認取得に取り組んでいます。

また、各国政府や国際機関が展開しますアクセスプログラム、ストップ結核パートナーシップの世界抗結核薬基金、マイラン社、アールファーマなど、これらのアライアンスパートナーを通じたアクセス拡大によりまして、現在100を超える国・地域で使用が可能となっています。さらに小児への適応の拡大、小児用の分散製剤も開発中であります。

結核撲滅の実現に向けて、多剤耐性結核を含む、すべての結核で使用できる新しい治療法が、患者さんにとって必要である現状を踏まえまして、「デルティバ」に続きまして、新たな結核治療薬として「OPC-167832」の研究開発を現在、推し進めています。

健康経営による女性の健康課題への対応

29ページをご覧ください。健康経営の中で注目されています、女性の健康課題に対する大塚の対応について、次にご紹介いたします。健康経営の質の向上に向けて、女性の健康を重視することが重要視されているわけですけれども、これらに取り組むことが、ひいては生産性の向上、企業価値の向上につながることが、経産省の資料でも紹介されています。

また、働く女性の健康推進に関する調査におきましても、「女性の健康に関するヘルスリテラシーの高い人は、仕事のパフォーマンスが高い」という調査結果も出ています。大塚は2015年から、「女性の健康に関するリテラシー向上セミナー」などの活動を通じまして、女性が活躍できる環境の構築に取り組んでまいりました。これらの取り組みを通じて、健康推進と働きやすい社会環境の構築、今後も取り組んでまいる所存であります。

サプリメント|信頼されるブランド

30ページをご覧ください。新型コロナ感染拡大の影響によりまして、人々の健康意識はさらに高まり、サプリメントへの期待も高まっています。左のグラフは、Euromonitor Internationalが2020年10月に実施いたしました、今後6ヶ月間における、従業員と消費者に関する意識調査結果であります。人々の健康的な生活習慣に関する意識の高まりは、今後も続くと予想されていまして、信頼されるブランドとして、我々の「ネイチャーメイド」にとりましては成長の機会と捉えています。

さらに、このような環境変化の中、将来の成長を見据えた「エクエル」等の新カテゴリーの育成、また一方では、アジアへの新たなエリア展開も進めてまいります。これからも人々の健康を支え続け、信頼されるブランドであり続けてまいります。

デイヤ|プラントベース食品で人々の健康に貢献

31ページをご覧ください。次に、プラントベースフード事業について、ここではご説明いたします。Food Allergy Research & Educationの調査結果によりますと、米国におきましては4人に1人がアレルゲン除去食を選択していまして、8,500万人がアレルゲン除去食品の購入に、年間190億ドルを消費しています。また、フードナビゲーターの記事によりますと、環境への配慮を理由にプラントベース食品を購入した人の割合が、2018年の31パーセントから、2020年には48パーセントと大きく増加しています。

「デイヤ」ブランドは、ミルク・卵・グルテン・魚・甲殻類・ピーナッツ・ナッツ類・大豆の8つのアレルギー物質を含まずに、また、プラントベース食品であることから、これらのニーズを満たす製品でありまして、生活者の健康に貢献しながら順調に、現在成長を続けています。

また、新工場が本格稼働し、高まる需要に対する生産体制も強化いたしました。これにより、販売チャネルの拡大に注力してまいりたいと思います。今後も食物アレルギーを持つ人や、環境意識・健康志向の高い人々を中心に、安心して日常的に食べることができる高品質な製品を届け、確固たるブランドイメージの定着に引き続き取り組んでまいりたいと思います。

バリューチェーンにおけるAI・機械学習等の活用

次は、多様性のあるビジネスにおけますAI、いわゆる人工知能、そして機械学習の活用について、ここではご紹介させていただきます。

33ページをご覧ください。環境変化への適応に関するもう一つの取り組みといたしまして、AI・機械学習などの新規テクノロジー活用について、ここではご紹介いたします。当社グループでは、これまでグループ間のシステムの標準化、共通基盤を整備・構築することで、コスト効率化に取り組んで、成果を上げてまいりました。

それと同時に、バリューチェーンの各段階におきまして、新たなテクノロジーの導入を推進し、大塚だからできる、新たな価値創造につなげる取り組みを行っています。導入に際しましては、ベンダーに任せるだけではなく自らが手を動かすことで、現場の状況やニーズを取り込みまして、大塚独自のノウハウや情報を反映させるという活動で取り組んでいます。

独自の取り組み事例

34ページをご覧ください。AI・機械学習の活用に関する当社グループの成功事例を、ここでは2つご紹介いたします。一つは、大鵬薬品で実施しています、創薬標的の探索に関する取り組みであります。文献情報のテキストマイニングと、大鵬が独自に持つ、標的に関する知見・ノウハウを取り込みまして、AIで解析することで、創薬の標的としてふさわしいターゲットをリストアップしています。この情報を基に創薬を開始し、現在、前臨床段階に進んだプロジェクトがございます。

もう一つの事例は、NC関連事業におけます、新規顧客獲得の広告精度を向上させるという取り組みであります。AIによる解析と、大塚が独自に持つ顧客解析データを組み合わせることで、効率の良いWeb広告配信が可能となりまして、その結果、購入率が約4倍に増加いたしました。これら好事例をさまざまな事業領域で共有するとともに、他のプロジェクトへ派生・展開し、さらに多くの具体的な成果に結びつけてまいります。

まとめ

さて35ページですが、本日のまとめであります。引き続き、みなさまのご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。

アジェンダ③

江村智博氏:それでは、医療関連事業における開発品のアップデートについてご報告申し上げます。

38ページをご覧ください。本日ご紹介する内容は、ご覧の3項目でございます。

2020年度第4四半期における主な進捗(2020年12月末時点)

39ページをご覧ください。2020年12月末時点における、開発品の主な進捗状況でございます。被包化胸水治療薬「LTI-01」の国内における独占的開発販売権を、米国Lung Therapeutics社から取得いたしました。また、ループス腎炎治療薬「ボクロスポリン」の日本と欧州における独占的開発販売権を、カナダAurinia Pharmaceuticals社より取得いたしました。

「Pizuglanstat/TAS-205」はデュシェンヌ型筋ジストロフィーの患者さんを対象に、日本においてフェーズ3試験を開始いたしました。また、3つの開発テーマでフェーズ1試験を開始いたしました。「ASTX030」は、日本において「骨髄異形成症候群(MDS)」の患者さんを対象に、「OPB-171775」は日本において「固形がん」を対象に、「TAS0612」は米国・欧州において「固形がん」を対象に、それぞれフェーズ1試験を開始いたしました。

トピックス pizuglanstat/TAS-205(精神・神経領域)

40ページをご覧ください。今回ご紹介するトピックスは2つございます。1つ目のトピックスといたしまして、「pizuglanstat/TAS-205」についてご紹介いたします。本剤は大鵬薬品が創製した、造血器型プロスタグランジンD合成酵素(HPGDS)の選択的阻害剤です。デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者さんの筋肉で、炎症反応を亢進させているHPGDSを阻害することで、患者さんの運動機能の低下を抑制いたします。

本剤の開発については、2019年12月にAMEDによる、令和元年度「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」に採択されています。今回実施するフェーズ3試験は、歩行可能なDMD患者さんを対象とした試験で、国内での実施となります。アンメット・メディカル・ニーズの高いDMDと闘う患者さんと医療従事者のために、本剤を一日も早くお届けできるよう努めてまいります。

トピックス ボクロスポリン(循環器・腎領域)

41ページをご覧ください。次のトピックスについてお話しさせていただきます。大塚製薬がAurinia Pharmaceuticals社より、日本と欧州における独占的開発販売権を取得した、「ボクロスポリン」についてご紹介いたします。本剤は自己免疫疾患である、全身性エリテマトーデスの最も深刻な合併症の一つとされる、ループス腎炎を対象に開発された、新規の経口免疫抑制剤です。

ループス腎炎は、全身性エリテマトーデスによって引き起こされる、高度なタンパク尿を伴う糸球体腎炎です。高用量の副腎皮質ステロイド薬が標準治療で、「タクロリムス」や「ミコフェノール酸モフェチル」などの免疫抑制剤を併用する場合があります。透析を必要とする腎不全に至ることも多く、副作用の多いステロイド薬の減量と、短期間での完全寛解の実現が課題となっています。

「ボクロスポリン」は、T細胞の増殖・活性化に重要な酵素であるカルシニューリンを阻害することで、免疫抑制作用を発揮する経口のカルシニューリン阻害薬です。ループス腎炎の患者さんを対象とした国際共同フェーズ3試験により、標準療法と比較して優れた有効性と安全性を示し、本年1月、米国にて承認されました。大塚製薬が欧州において本年、販売承認申請を提出する予定で、日本においても、当局と今後の方向について協議する予定となっています。

本剤が今後、大塚製薬やVisterra社などの開発製品へとつながり、継続的な腎領域パイプラインの形成に役立つことを期待しています。

2020年度の主な申請・フェーズ3移行プロジェクト進捗

42ページをご覧ください。2020年度期首に予定していました、主な申請およびフェーズ3移行プロジェクトの進捗状況を記載しています。赤字は、当期中に移行したプロジェクトでございます。期首計画外で移行したものは、「追加」に記載いたしました。

2021年度の主な申請・フェーズ3移行予定プロジェクト

43ページをご覧ください。2021年度に予定しています、主な申請およびフェーズ3移行プロジェクトを記載しています。申請予定が7プロジェクト、フェーズ3移行予定が1プロジェクトございます。

重要開発品のフェーズ3試験|終了予定時期

44ページをご覧ください。最後に、重要開発品のフェーズ3試験の終了予定時期を記載しています。欧米における「ブレクスピプラゾール」のアルツハイマー型アジテーションを対象としたフェーズ3試験の中間解析を、本年第2四半期で実施する予定です。その他にも持続的成長の実現に向けて、大きな貢献を期待している多くのプログラムがございますが、いずれも成功に導けるよう着実に進めてまいります。

また、参考資料として、主な開発品を領域ごとに掲載しています。併せてご参照ください。以上、医療関連事業の開発状況についてご報告申し上げました。ありがとうございました。

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