2021年2月15日に行われた、株式会社堀場製作所2020年12月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社堀場製作所 代表取締役会長兼グループCEO 堀場厚 氏
株式会社堀場製作所 代表取締役社長 足立正之 氏

2020年12月期決算説明会

堀場厚氏(以下、堀場):会長の堀場でございます。本日は株式会社堀場製作所の2020年度決算説明会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。言うまでもなく、2020年度はコロナウイルスの感染が拡大いたしまして、われわれにとりましても非常に厳しい年だったというふうに思います。昨年は、みなさまと対面でお話をさせていただくことができましたが、今回こういうかたちでオンラインでコミュニケーションをさせていただくこととなりました。

続きを読む

ところで、このコロナ禍でわれわれどのようなオペレーションをしてきたかということですが、今画面に出てますこのオンラインコミュニケーションツール、これは2年ほど前に、このコロナの前に導入いたしまして、会議あるいはミーティングに対応しておりました。

また一方、「Good place 勤務制度」ということで、俗には在宅勤務などをして、働きやすさ、いろんな海外のメンバーも非常に多いということで、これを利用することによって多様なかたちでオペレーションをしていこうということで、こういうシステムの導入をしていましたが、コロナがちょうど問題が起こりまして、これらを実質的に利用することができたということで、われわれとしては、比較的こういう制度を前もって普及させていたことによってダメージを少なくすることができたのではないかと思っています。

また、グローバル、われわれ9,000人の従業員のうち6,000人近くが海外の人たちですが、年に2回、100名程度、海外の幹部を集めてわれわれの朽木の研修所で3日間、英語だけの会議、これを20年間ほどやっておりましたが、今回はオンラインで行いました。オンラインで行った結果、必ずしも悪くないなと。いわゆるFace to Faceというのは非常に大事にわれわれの文化の中ではやっておりますけれども、オンラインによって、日本に来た幹部以外の幹部も話を聞くことができたということで、これはこれなりにメリットがあるなと。すなわちFace to Faceにやること、オンラインでやること、これらをハイブリットで対応をしていくことが今後とも大切ではないかというふうに思っております。

それで昨年なんですが、こういう時期ではありますが、われわれ積極的にグローバルな投資を継続しておりまして、現在も建設中ですが、中国の上海の拠点、今後の中国の市場というのは、われわれにとってはやはりどうしても対応をしていかないといけない、非常に重要な市場だということで、その拠点づくりを現在やっております。

また左下、フューエルコン、これは3年前に買収いたしました燃料用電池ですが、これも今後の生産量を向上するための工場を建設しております。またフランスの、真ん中にある写真ですが、これはフランスの生産拠点、もともと借り工場、いわゆるレンタル工場でやっていたのを一箇所にまとめまして、新しいリール工場を完成いたしました。まだモンペリエ、地中海のメディカルのほうには土地を取得するというような手を打っております。

このように、海外においても積極的な投資で、次のステップアップのための投資を継続しております。そして日本のほうなんですが、堀場テクノサービスの新社屋を建設いたしました。ここには非常に大きなトピックスがございまして、ハヤブサ2がリュウグウから回収してまいりました砂と石を、われわれのこのテクノサービスのアプリケーションセンター、Analytical Solution Plazaと申しますが、そこで分析をさせていただくということになりました。

これも単に分析計がよいということではなくて、われわれのこのサンプルハンドリングシステムと言いますか、そういうアプリケーションの技術とこの製品のドッキングした、これもハイブリッドになると思いますが、新しいビジネスモデルが今回のこのような非常に名誉のある事業をお手伝いさせていただけることになったかと思います。

いずれにいたしましても、この新型コロナの感染拡大の中でどのように対応をしていくかということで、2020年度、それなりの成績、後ほど足立から詳しく説明させていただきますが、この2021年、またどのように展開するか、われわれにとって、やはりBtoBの会社にとっては、今年も非常に大事な勝負の年ではないかと思っておりますが、今後とも全社を挙げて努力していきたいと思います。この荒波をいかに乗り越えていくかということがポイントになることだと思いますが、引き続きみなさまのご助言・サポートをよろしくお願いいたします。

2020年の振り返り

足立正之氏(以下、足立):みなさま、こんにちは。社長の足立でございます。それでは、私から決算の説明をさせていただきます。今日のストーリーなんですけれども、いつもどおりではありますが、先期、2020年12月期の決算概要、そして今期、2021年12月期の業績予想につきまして。この2つにつきましては、主に数字の断面を説明させていただきまして、その次に、その数字の背景となっておりますセグメント別の詳細の説明をさせていただきたいと思います。

次に、会社全体の大きな流れに乗りましてわれわれの最近のトピックスをご紹介させていただいて、最後に株主還元についてご説明させていただきたいというふうに思います。それでは、早速ですけれども説明のほうに移りたいと思います。

まず2020年の振り返りなんですけども、これは言うまでもなく、やはりこのコロナ禍によりまして、グローバルに大きく経済活動に関してはインパクトがあったと言えます。特にわれわれのビジネスにおきましては、自動車業界の設備投資が低迷いたしました。一方では、やはり情報産業、テレワークによる通信データ事業、あるいはデータセンターの需要の拡大に伴いまして、半導体生産設備投資が増加いたしました。また、コロナ以前から非常に注目を浴びていたライフサイエンス分野ではありますが、これもコロナによってさらに関心が高まったというふうに理解しております。

一方、内部状況のほうですけれども、われわれが携わっています仕事は、環境エネルギー、それからメディカル、情報分野という、非常にエッセンシャルな部分を担当しておりまして、われわれとしましては、それを継続してサポートするという社会的責任を非常に感じておりまして、難しい中ではありましたけれども、可能な限り事業を継続するというかたちで進めてまいりました。

それと同時に、先ほども何個か紹介がありましたように、日本・中国・欧州におきまして将来への成長投資を継続させていただきました。これも最後のポイントですけども、先ほど会長のほうから説明がありましたように、堀場流のテレワークのスタイル、「Good place 勤務制度」、あるいはそれに伴うオンラインコミュニケーションのツールというものを2019年の時点ですでに導入しておりまして、ある程度こなれたところで2020年がやってきましたので、非常にスムースにこのテレワークとオンサイトでの作業というものが組み合わせられたというふうに思っています。

2020年12月期 連結実績

それでは、2020年12月期の連結の実績、数字のほうでございますが、売上高1,870億円、営業利益196億円、経常利益193億円、当期利益131億円という結果になりました。ご覧いただきますように、前年との比較を見ますと、どの数字も顕著に下振れしているという状況でございます。

11月に公表しました前回予想と比べましても、売上高につきましては微減となっております。一方では、営業利益のほうは、その後も継続した経費削減、そして効率アップというものが寄与しまして、少し前回予想からは上振れたというかたちになっておりまして、営業利益率につきましては、10パーセントを超えるところを維持できたというような状況になっております。

2020年12月期 連結実績(セグメント別)

これはセグメント別のブレークダウンですけれども、この数字の背景につきましては後ほどセグメント別のところで詳しく説明させていただきますので、数字のほうを主に説明させていただきます。ご覧いただけますように、半導体を除いてほかの4セグメントにおきましては、売上高に関しましては、前年から下げていくという状況にございます。よろしいでしょうか。

特に自動車、医用につきましては、顕著に下振れしたという状況であります。営業利益を見てみますと、これも自動車事業につきましては、売上の下振れに伴いまして顕著な減益になっているということでありまして。

医用につきましては、残念ながら赤字の数字となりました。一方、半導体は、売上高が増加したということにつれまして、営業利益も顕著に上振れしたという状況になっております。科学は、プロダクトミックス、あるいは経費削減の効率化ということもありまして、昨年からは利益は上振れしまして過去最高の利益となっております。

2020年12月期 連結実績(B/S、CF)

バランスシートは、総資産につきましては、拠点整備・資金調達などを実施しまして、129億円増の3,280億円。自己資本比率につきましては動きがなく、54.3パーセントというかたちになっております。キャッシュフローにつきましては、営業キャッシュフロー、プラス322億円、投資キャッシュフロー140億円ということで、この差としましてフリーキャッシュフローがプラス182億円となりました。

財務キャッシュフローにつきましては、社債の償還をいたしましたが、同時に長期借入などを実施いたしまして、プラスの8億円という状況になっております。

市場環境の想定

それでは、ここからは2021年12月期の業績予想についてご説明申し上げます。まず全体環境の想定なんですが、いつものように天気予報のマークでご説明させていただきます。全般的には、やはりコロナウイルス感染症につきましては、収束、あるいはWithコロナというかたちのスタイルが定着してくると思いますので、少し光が差しているという状況ではございますが、その中でもやはり見通しのきかないところもあるというふうに見込んでおります。

特に自動車・医用につきましては、やはり現時点でも見通しがききにくいという状況であります。環境につきましては、環境規制などが堅調に底堅く推移をしているというふうに思いますし、半導体は、現在の顕著な状況というものがしばらくは続くというふうに見ております。

科学につきましては、公的な補助金、あるいはアカデミアは少し停滞が継続するかと思いますが、産業面、特に半導体、あるいはライフサイエンスで需要拡大を期待しているというような状況です。

2021年12月期 業績予想

こういった全体的な状況を踏まえて、2021年12月期の業績予想につきましては、売上高2,000億円、営業利益200億円、営業利益率10パーセント、そしてボトムラインの当期純利益につきましては135億円という目標を立てております。

売上高につきましては、顕著に戻りを期待しております。それにつれて、営業利益のほうは活動もアクティビティも盛んになりますし、研究開発も増えるということで、少しかための数字となっております。一方では、営業利益率は10パーセントを維持するというかたちの設定になっております。

2021年12月期 業績予想(セグメント別)

セグメント別にもう一度見てみますと、自動車につきましては、やはり見通しがきかないというところもありまして、売上高は横ばいというかたちの設定になっております。営業利益につきましては、さらにプロダクトミックスが加わるというところで、減益を予想しております。その他4つのセグメントにつきましては、どれも売上高については上振れを見込んでいるという状況で、環境・半導体・科学につきましては、過去最高の売上を目指しております。営業利益は、半導体は引き続き上振れで増益を見込んでおります。一方で、医用は赤字のところから黒字の方向に転換を計画しているという状況であります。

数字のほうはここまででご説明を終わりまして、ここからは各セグメントのこの数字の背景を込めまして詳細をご説明させていただきたいというふうに思います。

自動車 2020年実績/2021年予想

自動車ですけれども、ここにご覧いただいていますように、2019年から見ますと、売上は2020年で約150億円ほど落としたということになりまして、それにつれて営業利益も大きく落ち込みました。これにつきましては、やはりコロナ禍によりまして企業活動の停滞があった。特に販売台数が急激に激減したことによりまして、業界の設備投資が急激にストップ、スローダウンしてきたということでありまして。後半はこの自動車の販売台数少し戻してきたという状況にはありますけれども、設備投資につきましては、まだ少し後遺症を引きずっているという状況だというふうに考えております。

MIRAのビジネスであります「Engineering Consultancy & Testing」につきましては、特にロックダウンの期間はほぼ2ヶ月間シャットダウンでコンサルテーション業務ができなかったというようなこともありまして、大きくインパクトを受けた状態であります。

一方、2021年につきましては、売上高的にはフラット、利益につきましてはさらに厳しい状況で下がっていくという見込みを持っております。排ガスにつきましては、ある程度設備投資の回復を見込んでおりますが、これについても限定的というふうに見込んでおります。一方では、電動化車両への開発投資というものはこれからも進むと見ておりますので、Mechatronicsの割合というものが増えていくというふうに思います。

そして、MIRAビジネスにつきましては、新しいモビリティ、コネクテッド・ビークル、そして自動運転、サイバーセキュリティなどの興味というものは非常に引き合いが増えてきておりますので、こちらのぼうが伸びてくるというふうに考えております。こういうのを総合しまして、利益率的には、少しプロダクトミックス的には苦しい状況はありますので、利益は下げを見込んでおります。

環境 2020年実績/2021年予想

環境セグメントは、売上的には微減というかたちになりました。利益的には、2019年から見ますと横ばいというかたちになっております。背景としましては、これもコロナ禍の影響を受けてはいるんですけれども、基本的に規制需要というものは底堅いというふうに見ておりますし、一方では、水質計測におきまして、活況であるこの電子産業向けの環境機器というものが堅調に推移したという2020年でした。

これに対しまして、2021年は売上を少し伸ばして見込んでいるという状況でありまして、こちらのほうは引き続きアジアでの規制強化、これはガスおよび水、浄水で受注の獲得を目指しておりますし、産業面におきましても、やはり電子産業向けの環境機器が販売が堅調に推移するというふうに見込んでおります。

医用 2020年実績/2021年予想

次、医用に移らせていただきます。2019年から見ますと売上が落ち込んでおりまして、それに伴いまして、利益が赤字に転落しているという状況でございます。そもそもやはりこういう感染症拡大という時には、血液の検査というものは非常に重要な存在であるはずなんですけれども、それよりも何よりも、やはり感染というものを避けるために病院に行かれる患者さんが減ったということで、検査数が激減しました。それに伴いまして、われわれの収益のやはりキーポイントであります試薬の販売が激減したということでこのような結果になっております。

一方、2021年は、売上的には2019年ぐらいまで戻すというふうに見込んでおります。こちらはやはりコロナウイルスの収束、あるいはWithコロナのスタイル、患者さんも病院に戻っていくことを期待しております。また、シーメンスとの連携が今年から開始いたしますので、われわれがこれまで踏み込めていなかったような市場がシーメンス経由で広がっていくということを見越しております。

また、先月末にアメリカで買収いたしましたMedTest社がございまして、これ後ほど少し説明しますが、米国における生化学ビジネスというものを伸ばしていきたということで、こちらも期待しているところでございます。

半導体 2020年実績/2021年予想

半導体セグメントは、2019年前半ぐらいまではメモリのだぶつきもありまして踊り場と申していましたが、後半から回復してきたということで、その勢いと、プラス、このコロナ禍によりまして、リモートワーク、あるいはデータセンターの半導体需要というものが増えたということで、非常に堅調に推移いたしました。

そして2021年につきましてもその勢いが継続するというふうに見込んでおります。さらに、半導体プロセスの複雑化に伴いまして、われわれの主力製品以外の各種モニタリングに対する要求も増えてきているということで、こちらも力を入れていくつもりでございます。

科学 2020年実績/2021年予想

最後のセグメントで科学を見ていきますと、こちらは2019年から見ますと微減というかたちになっておりますが、利益につきましては、堅調に改善しているという状況でございます。背景としまして、企業活動の停滞などはありましたし、アカデミアの補助金というものも厳しい状況にはなったんですけれども、比較的利益率の高い高額モジュールが、半導体装置メーカー向け、あるいは、特に注目されましたライフサイエンス機器に売れ、拡大したということがございまして、まず利益の面で回復の要因となったということ。それと販売費、あるいは経費削減などの効率化によってこの増益が実現したという状況でございます。

2021年度につきましては、少しその設備投資も回復を見込んでおりますし、後ほどご説明いたします製薬、あるいはライフサイエンス分野でのさらなる拡大というものを期待しております。

以上でセグメント別の詳細説明を終わりまして、ここからは会社全体の動きとトピックスについてのご紹介に移らせていただきます。

社会課題に貢献するHORIBA

まず会社全体の方向性ですけれども、中長期経営計画「MLMAP2023」というものを走らせておりますけれども、ちょうどその半ばに差し掛かってきたと言えます。ここで3つの大きな方針を打ち出しております。

1つ目は「Market Oriented Business」ということでありまして、この中では、環境エネルギー、それからヘルスケア、情報というこの3つのメガトレンドに対しまして、われわれは5つのセグメントの壁を越えて、技術、あるいは営業的なリソースというものを共有して、社会の変化に対して柔軟に対応していきたいということで、この1つ目の方針を挙げております。

2つ目のポイントとしましては「Solution Provider Beyond Life Cycle Management」ということでありまして、これまでは機器販売が中心に進めてきたビジネスではありますが、先ほど会長から説明もありましたように、サービスの拠点を新しくするとか、コンサルテーション、あるいはデータサービス、サブスクリプションモデルなどを組み合わせた、全体的なお客さまとのお付き合いの中で機器販売も存在するというようなかたちで、常にお客さまとともにビジネスを進めていくというビジネスモデルを立ち上げようとしております。

3つ目のポイントは、われわれ自身、堀場のメンバーのことをみんなでホリバリアンと呼んでおりますけれども、ホリバリアン一人ひとりの価値を向上させていって力をつけていこうということで「The Next Stage of Super Dream Team」というのを進めております。ここでは、堀場流のダイバーシティ、堀場流の働き方改革というものを進めて企業価値を向上させていきたいと考えております。

半導体市場向けセンシング技術の展開

まず1つ目のトピックスですけども、これも「Market Oriented Business」ということで、半導体関連のお話にはなるんですけれども、これまで半導体需要といいますと、マスフローコントローラ、それと薬液濃度モニターというこの2つの強い製品がございまして、半導体ビジネスというものが成長してきたわけでありますけれども、それと同時に、実はそれだけではなくて、半導体生産プロセスの中での真空中の残留ガスモニター、あるいはプラズマのエンドポイントモニター、ガスモニターなどがございますし、オフラインのほうでは、マスクの異物検査装置、表面のX線分析装置、それから薄膜の分析装置などがございます。

こういったものが、ほかのセグメント、あるいはグループ内でも法人をまたいで存在していたというような状況なんですけれども、こういったものの重要性が非常に増してきております。そこでわれわれは、ひっくるめて「Optical Smart Sensing」というプロジェクトを立ち上げまして、会社の壁、そしてセグメントの壁を越えて半導体業界に対して面で対応していこうということで活動を始めております。

ヘルスケアビジネスの展開<医用事業>

次は、ヘルスケア関連のトピックスで、先ほども少し触れました米国のMedTest社の買収ですけれども、これは先月末1月28日に買収、契約を締結いたしました。特に米国におきましては、生化学の分析計のビジネスを、拡販を非常に注力しているわけですけれども、これまでは生化学の試薬につきましては外から買ってきているという状況でありました。

ここで縁がありまして、こういった生化学の試薬を作っている会社というものがコンタクトがありまして、買収することができました。ということで、非常に補完的な買収ができまして、機器販売と試薬の販売というものがシナジーを期待できるということであります。またこの場所ですけども、ミシガン州のカントンという所は、われわれの自動車ビジネスのオフィスの近くでございまして、ポストマージャーインテグレーションにつきましても、非常にスムーズにこれを実現することができるというふうに期待しております。

製薬業界向けビジネス拡大

ヘルスケアの2つ目のトピックスですけども、最近では製薬業界向けのビジネスが非常に拡大してきている状況でございます。最近、毎日ニュースに出てきているようなワクチンの生産などで使われるバイオリアクター、このプロセスの計測制御をするにあたって、非常に高度な分光技術を組み合わせるということで、プロセスラマシステムというものがお引き合いをいただいているという状況にありますし、またワクチンの出荷検査におきまして、この蛍光の分光分析装置というものが正式に採用されているというようなところもございます。

また、がんの診断に役立ちますエクソソームの分析にナノ粒子の分析装置が使われるところ、そして、製薬だけでなはなく食品の工場におきましても微生物の迅速検査装置というものが非常に注目されております。また製薬錠剤を作る時に、その錠剤の中の薬効成分の分析を図る透過型ラマン分析装置というものも拡販が進んでいるという状況でございます。

水素エネルギー社会とHORIBA

そして、こちらのほうは環境エネルギーの分野ですけども、水素エネルギーについては言うまでもないことだと思います。この分野においても水素を、かしこく、つくる、ためる、つかうということにおきまして、われわれの技術がソリューションとして提供できるというふうに考えております。

特に最近では、欧州では、燃料電池だけではなくて、水の電気分解のエレクトロリシスを作るところでの分析、計測制御などが非常に引き合いが増えてきているというふうに見ております。特にわれわれの組織的にも、5つの事業の横断的組織でありますこの「Hydrogen Energy Project」というものを立ち上げて、これも柔軟にソリューションを提供していって、水素の堀場と言われるように進めていきたいと思います。

自動車の電動化とHORIBA

そして電動化、これも言うまでもなく、毎日、新聞あるいはテレビを賑わしている話題ではございます。堀場グループと言いますと、どうしても内燃機関のところで非常に大きな仕事をしてきた状況ではありますが、ここしばらくメカトロニクス、テストオートメーションなど拡充してきまして、ここに挙げておりますような、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、先ほどの燃料電池、そしてピュアEVなどの技術ソリューションというものを取り揃えております。

新聞なんかを見ていますと、どれが良くてどれが悪いというような書き方をされたりするところがあるんですけれども、われわれとしまして、ここしばらくはこういった多種多様なエネルギー源というものが組み合わされて多様性が増していくと思っておりますので、その多様性に対するソリューションというものを効率よく提供するというのがわれわれの使命であると思っております。そういったかたちで取り揃えて、電動化に対しても十分なソリューションを提供していきたいと考えております。

コネクテッド・自動運転車の開発施設を開設

そして次世代モビリティの断面におきましては、MIRAのほうで数々の投資をしておりまして、この「ASSURED CAV」と題したところですけども、これにつきましては、高速のテストコース、あるいは市街地の自動運転の評価コース、自動駐車などが実現できる評価設備などを取り揃えておりまして、自動運転に対するコンサルテーションサービス、エンジニアリングサービスというものは提供できるようになっております。

またこれとは別に、特にサイバーセキュリティの分野では、MIRAは非常に進んだ技術を持っておりまして、こちらのほうでも規制化、あるいは自動車産業におきましての開発をお手伝いできる製品が展開できると思っております。

オープンイノベーションの取り組み

このページは少し話が変わるんですけど、オープンイノベーションの取り組みと言うことを紹介させていただいております。このカリフォリニア大学アーバイン校に対するドネーションというのは以前も報告させていただきましたが、コロナで少し進捗が遅れてしまったんですけど、ほぼ完成しているという状況で、今ここの写真をご覧いただいたらわかりますように、建屋というのももう改造が終わっておりますし、この通りに面する所に、「HORIBA Institute for Mobility and Connectivity」という表示がされておりまして、非常に誇らしい、光栄なことだと思います。

そもそもこの研究所は会長の堀場が修士号を取ったところでもありますし、私自身も在籍したこともありまして、非常に嬉しいことだと思っております。ここで申し上げているこの「Connectivity」、再度ご説明しますと、これは「ビークルトゥビークル」の「Connectivity」ではなくて、発電所からの電力網と交通モビリティとの「Connectivity」ということで、全体的なエネルギーの最適化を目指すということで。局部的なことが最近よくいろんなところで述べられますけれども、やはり全体最適化でなくてはならないということで、こちらのほうで研究を進めて、規制化、あるいはそれに伴って出てくる技術というものがこれからのデファクトスタンダードになっていくと思って非常に楽しみなところでございます。

右側のほうにいきますと、これは国内の話ですけれども、産業技術総合研究所、産総研と粒子計測ラボというものを立ち上げました。今年の年始から立ち上がっております。こちらも名前は「HORIBA Institute for Particle Analysis in AIST」ということになっておりまして、HIPAAと呼んでおりますが、2つのテーマがございます。1つ目は、ナノ粒子のカウンティング、こちらのほうは今もうすでに規制になっておるんですけども、校正に関してはなかなかうまい手法がないという状況でございまして、これを産総研さんの技術とともに確立していくという開発をいたします。

もう1つは、産業面ですごく使われるようになってきましたカーボンナノチューブですけども、これの品質管理というものも決定打がないというところもありまして、これを産総研さんの技術と弊社の製品等を用いまして新しい技術を開発していくということで、このどちらも非常に産業に直結するものでありまして、早急にビジネスに貢献できると考えております。

欧州・先端分光技術 生産拠点開設

これも先ほど会長からの説明にございました新しい拠点ですけども、フランスのリールという北の端の町なんですけれども、ここにありました設備を移転拡充しております。こちらのほうは、ラマン分光器という、われわれのフラグシップとなる分析計の研究開発、生産を受け持っているところですけれども、キャパシティを2倍、そして研究開発などを進めていくというところで楽しみにしているところでございます。

新たなビジネスモデル確立にむけて

そしてこちらのほうも、先ほどご紹介がありました新しいテクノサービスの新社屋の建設です。ここにありますように「Analytical Solution Plaza」ということで、1階、2階におきましては、分析センターの技術をここに移転しておりまして、ショールーム的にも使えますし、データ計測、そしてコンサルティングなど、新しいビジネスモデルを展開していきたいというふうに思います。

はやぶさ2-試料分析プロジェクトに参画

これも先ほど触れましたけれども、はやぶさが持って帰ってきましたリュウグウの砂を、ここで6月から、われわれの分析計で計測させていただくということで、出てくる結果を非常に楽しみにしているところでございます。

株主還元政策

最後、株主還元のところにいきますけれども、われわれ基本的な考え方としましては、配当と自己株式取得合わせて純利益の30パーセントを目処としておりまして、2020年のところでは、ここにございますように、90円という設定で、28.8パーセントというかたちの配当をいたします。そして、2021年につきましても90円の予想ということで、これにつきましては21.8パーセントの還元率というかたちになっております。

以上、駆け足でしたけども私の説明は終わらせていただきます。ありがとうございました。

記事提供: