新興国株を中心に世界株がほぼ全面高だった2016年10月17日-10月21日

2016年10月17日-10月21日の世界の株式市場は、ほぼ全面高でした。利上げ接近と決算期入りで米国株は小動きでしたが、ブラジルおよびインドネシアで利下げが行われ、新興国株が世界株をリードしました。日本株、欧州株もしっかり推移しています。このような投資環境でどのような投信が人気を集めたか見てみましょう。

楽天証券2016年10月17日-10月21日の週間売れ筋ランキングを見る

まず、楽天証券の全体売れ筋ランキングのトップ5を見ていきます。

第1位:日本株ハイインカム(毎月分配型)(ブラジルレアルコース)

第2位:フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)

第3位:楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型

第4位:楽天日本株4.3倍ブル

第5位:ニッセイ日経225インデックスファンド

楽天証券2016年10月17日-10月21日の週間積立売れ筋ランキングを見る

次に、楽天証券の積立売れ筋ランキングのトップ5を見ていきます。

第1位:ネット証券専用ファンドシリーズAR国内バリュー株式ファンド

第2位:ニッセイ外国株式インデックスファンド

第3位:世界経済インデックスファンド

第4位:ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)

第5位:ニッセイ日経225インデックスファンド

ブラジルレアル関連の投信の成績が好調に

いかがでしょうか。

全体ランキングの顔触れはあまり変わっていません。ブル型投信が再びランクインしたことが新しい動きです。また、ブラジルレアルがレアル高基調にあり日本株もじり高であることから、日本株ハイインカム(毎月分配型)(ブラジルレアルコース)のパフォーマンスが改善していることが注目されます。

ネット証券専用ファンドシリーズAR国内バリュー株式ファンドが積立売れ筋トップに

積立の売れ筋では、ネット証券専用ファンドシリーズAR国内バリュー株式ファンド(愛称:サムライバリュー)がトップにランクインしました。

このファンドの名称にあるARとはAbsolute Returnを意味し、TOPIXなどの株式市場全体の上げ下げにかかわらず利益を出そうという狙いの投信です。

具体的には国内の中小型のバリュー株(割安株)に現物株投資をする一方で、TOPIX先物などを売り建てします。この結果、ネットの株式の組み入れ比率を0%~20%に押さえて運用しています。

株式市場の水準が大きく切り上がる時、現物株の時価が上昇しますが、売り建てたTOPIX先物に含み損が出ますのでトータルではあまり大きな利益は出ません。株式市場の水準が大きく下がる時はこの逆のことが起きて、大きな損が出ないようになっています。ではどこからリターンを生むのかというと、現物株の割安度が解消されていくところからになります。

このような取引は、すでに信用取引をたくみに活用している個人投資家の方には当たり前かもしれません。しかし、そうでない方にとっては、株式市場の水準とは直接関係が薄い収益源を狙っていく投資手法として一般的な分散投資を補完するものになるでしょう。この手法はヘッジファンドでは一般的な手法で、いわゆるオルタナティブ投資に含まれます。

個人投資家の方も、オルタナティブ投資を幅広く進める時代が来ています。

 

LIMO編集部