このように、日本の保護者は「子どもの学力をあまり把握せず、国内外でどのレベルにいるのか気にしない」という傾向が強い一方で、経済界を中心に、グローバル化社会で活躍する人材は強く求められています。

本調査の結果からは保護者の意識と企業の考えが乖離(かいり)していることが見て取れますが、裏を返せば、保護者が子どもの教育に関心を寄せて語学力や海外志向を高めることで「他の子とは違う子」に変身し、子どもに強みを持たせることもできるでしょう。

オンリーワンを目指すには

こうして調査結果を見てくると、日本では教育に関する保護者の意識も”ガラパゴス化”している印象があります。日本は生活水準が高く、ことさら世界を目指さなくても不自由なく暮らせる国ではありますが、少子高齢化が進む中で、今後は国力が衰えていくとも言われています。

否応なくグローバル化している社会の中では、日本独特の考えだけにとらわれず、多角的な視野を持って子どもの教育に関わっていくことが今まで以上に必要とされているのではないでしょうか。

参考資料

世界11ヵ国において子ども・保護者を対象に学習に関する『意識調査』、および基礎学力を測る『学力調査』」(株式会社スプリックス/スプリックス基礎学力研究所)

調査対象:6歳~15歳の子ども(各国1,000名 x 11ヵ国の11,000名)、上記子どもの保護者(各国1,000名 x 11ヵ国の11,000名)
調査期間:2020年8月~9月

中山 まち子