IoT(モノのインターネット)という言葉が良く使われるようになりました。ネットワークにつながれていなかったハードウェアが接続されることで、今後さまざまな事業展開が可能になりそうです。その一方で、IoTは世界レベルでの標準化も進んでいます。今後の事業環境の変化や、どんな企業が勝ち進んでいくのかを考えてみましょう。
IoTとは何か
IoTは、日本では「モノのインターネット」と言われます。それが何なのか、ぼんやりとしかイメージできないかもしれません。全体像を表現しようとする場合は、Cyber Pysical System(サイバーフィジカルシステム、CPS)の方が理解しやすいかと思います。
CPSとは、ハードウェアがネットワークに接続され、そのデータを処理し、何かしらの判断を下して再びハードウェアにフィードバック(指示を含む)することができる仕組みをいいます。CPSはIoTの概念を含んでいるようにも聞こえます。
IoTやらCPSやらの専門用語で煙にまかれそうですが、要は末端から吸い上げた情報を集中的に処理し、再び末端に指示や情報を戻すことを繰り返し行うシステムと言えそうです。
センサーをバラまいてもIoTでは勝てない
IoT時代に突入するにあたり、日本の製造業が得意なセンサーを大量に製造し、それを販売すれば事業として成立するかのような、やや安易な議論が蔓延しています。果たしてそうなのでしょうか。確かに、ありとあらゆるモノにセンサーを搭載するようになれば、大きな事業に育成することができるのではないかという期待もあります。
ところが、半導体関連企業などからは「何銭、何十銭程度でしかセンサーが販売できないのであれば事業としては成立しない」という声も聞こえてきます。そんな中、IoT時代を意識して事業化を検討している電子部品メーカーなどがどう対応しているかというと、複数の機能を搭載するモジュールにして単価アップを図ろうとしています。
つまり、半導体技術だけではなく、それ以外の機能も組み合わせ、複数の機能を持たせたデバイスにすることができる企業に商機があると言えます。裏を返せば、そうしたことを実現できない企業にはIoT時代にビジネスチャンスがないのではないでしょうか。