コロナ禍で収入減になってしまった人だけでなく、大きな影響は受けていないという場合でも、お金に対する不安を感じている人は多いのではないでしょうか。
日本FP協会は昨年(2020年)10月に「くらしとお金に関する意識調査」を実施(対象:全国の20代~60代の男女、有効サンプル数:3,000)。そこには、コロナ禍の家計の状況と、今を乗り切る工夫などの調査結果が出ています。どのような内容なのかを見てみましょう。
「お金の不安」を感じている人はどのくらい?
まず、お金の不安について聞いた設問では、「現在のお金に対する不安」として、「収入」に不安を感じる人(「とても不安を感じる」と「不安を感じる」の合計、以下同)は全回答者の59.3%、「支出」に不安を感じる人は52.9%、「預貯金」に不安を感じる人は56.2%と、軒並み半数以上になっています。
また、「将来のお金に対する不安」について聞いたところ、「収入」に不安を感じる人は全回答者の66.6%、「支出」に不安を感じる人は59.6%、「預貯金」に不安を感じる人は62.9%と、全体に現在感じる不安よりも割合が高くなっています。先行きの不透明さへの懸念があらわれている様子が見て取れます。
家計状況はどうなった?
家計状況について尋ねた質問では、全回答者のうち収入が1年前と比べて「変わらない」が約7割、「減った」は約2割でした。新型コロナウイルスの影響で、収入が減っている人が一定数いることがわかります。この調査が行われた昨年秋以降、今年になって2度目の緊急事態宣言の発令により、さらに状況が悪化しているかもしれません。
では、どのような費目で支出に変化があったのでしょうか。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年10月と、拡大後の2020年10月の支出を比較した結果を見てみます。