この記事の読みどころ

  • 米国の消費者信頼感指数は高水準を維持しています。
  • 前回、8月に前月比マイナスだった米国の耐久財受注は持ち直すかが注目されます。
  • 米国のGDPは、個人は堅調、企業は慎重な姿勢という動きを見せています。

今週発表される経済指標の中から、特に、マーケットインパクトを与えそうな経済指標をいくつかピックアップしてみました。ぜひ、チェックしましょう!

出所:各種報道をもとに筆者作成

高水準を維持する米国の消費者信頼感指数

10月25日(火)23:00に、米国の10月消費者信頼感指数が発表されます。

消費者信頼感指数は、全米産業審議会(コンファレンスボード)が公表し、今週発表される米GDPの約70%を占める個人消費との相関性が高いため、マーケット参加者からも注目されています。

前回、9月の消費者信頼感指数は104.1となり、2カ月連続の上昇、金融危機以前の高い水準となりました。

今回、10月の同指標の市場予想は+101.0と、前月を若干下回る水準となっているものの、依然として高水準の見通しとなっています。特に、労働市場への楽観的見方が強まっていることから、米国経済は引き続き堅調に推移していくと考えられます。

米国の耐久財受注は持ち直すか

10月27日(木)21:30には、米国の9月耐久財受注(除く輸送用機器、前月比)が発表されます。

耐久財受注は、製造業の新規受注のうち耐久年数3年以上の耐久財の数値を表しています。製造業の新規受注は翌々月の月初に公表されますが、耐久財受注は翌月の下旬に速報値が公表されるため、マーケット参加者に注目されています。

特に、変動率の大きい輸送用機器(自動車等)を除いた受注や、航空機を除いた非国防資本財受注が注目されます。

前回、8月の同指標は-0.4%(除く輸送用機器、前月比)となりましたが、9月の市場予想は+0.2%(除く輸送用機器、前月比)と、持ち直す見通しとなっています。

米国のGDPは個人消費堅調、企業慎重姿勢の動き

10月28日(金)21:30には、米国の7-9月期四半期実質国内総生産(速報値、前期比年率、以下、GDP)が発表されます。

米国に限らずGDP見通しは、外国人投資家が投資判断をする際に最初にチェックする経済指標の一つです。

前回、4-6月期の同指標は+1.2%(速報値、前期比年率)となり、個人消費が+4.2%(前期比年率)と力強く伸びたものの、企業が慎重な姿勢を強める結果となりました。特に、住宅投資は2014年上期から成長の牽引役だったものの、-6.1%(前期比年率)に落ち込みました。

今回、7-9月期の同指標の市場予想は+2.5%(速報値、前期比年率)となっており、今後の動向に関心が集まりそうです。

【参考情報】各経済指標の元データ

米消費者信頼感指数は全米産業審議会のウェブサイト、米耐久財受注は米商務省のウェブサイト、米GDPは商務省経済分析局のウェブサイトをそれぞれご参照ください。

 

岡野 辰太郎