「ゆとり世代」に明確な定義があるわけではないのですが、一般的に「1987年から2004年生まれ」までを「ゆとり世代」と呼ぶようです。

「ゆとり世代」と言っても、何歳の時にゆとり教育が導入されたかによって、「ゆとり第一世代」、「スーパーゆとり世代」、「ハイパーゆとり世代」など、様々なゆとり世代があるようです。

そんなゆとり世代ですが、第一世代の人は今年で34歳。

会社で役職を与えられる人が出てきてもおかしくない年頃ですし、結婚して家庭を築いている人も多いかもしれませんね。

私は大学卒業後、信用金庫での勤務経験があり、FPの資格を持つファイナンシャルアドバイザーとして、多くの方のファイナンシャルプラニングに関わってきました。

今回は、ゆとり世代と呼ばれている20代、30代前半の人へ「イデコ」と「つみたてニーサ」の活用法について見ていきたいと思います。

「イデコ」とは何か

最近、イデコやニーサという言葉をよく耳にするようになりました。これらはどちらも長期の資産形成をするための税制優遇制度です。

まずはイデコから見ていきましょう。

イデコ(iDeCo)とは、個人型確定拠出年金を指します。これは私的年金制度、すなわち加入が任意の年金制度となります。

国民年金や厚生年金などは公的年金ですから、あえて言うならば、イデコは自分でカスタマイズして作る年金というイメージでしょうか。

ゆとり世代を含む20~40代の人は、将来年金がもらえるのか分からないと不安に思っている人も多いでしょう。

その場合は、イデコで「自分の年金を作る」ことを検討してみてください。

イデコは年金制度で、投資信託・保険・預金から、商品や配分を選んで、積立投資で運用するようになっています。

イデコのメリットは、なんと言っても毎月の掛金が全額所得控除となる点です。

また、運用している間も非課税で再投資されていくため、60歳以降に年金を受け取る段階まで課税をされることがありません。

60歳以降に引き出す際も、一括で受け取る場合は退職所得控除、年金として分割で受け取る場合は公的年金等控除を利用して受け取る事ができます。

ただし、デメリットもあります。

イデコは商品の選択、配分の決定、申し込みなどの事務手続きは、自分がメインで行わなければなりません。

運用の成果をチェックしたり、どんな商品にスイッチングしたほうがいいのかは、全部自分が決定しなければならないということです。運用初心者の方には少し荷が重い作業です。

また、イデコ最大のデメリットは、積み立てた金額を原則60歳まで引き出せない点です。

まとまったお金が急に必要となった場合は、自由に引き出すことができないため、イデコだけで貯蓄をするのは避けた方が無難です。

口座管理などで、所定の手数料がかかる点も留意しておく必要があります。

「つみたてニーサ」とは何か

次に、つみたてニーサを見ていきたいと思います。

つみたてニーサは先ほどのイデコと違い、毎月の掛金で所得控除を受けることはできません。

つみたてニーサとは、毎年40万円まで金融庁が指定した投資信託で積立投資をすると、最長20年間運用益が非課税になる制度です。

イデコと異なり、60歳まで引き出せないという制約は無く、途中でいつでも引き出すことができます。一部引き出しも全部引き出しも可能です。

そして、2020年の税制改正により、2042年まで毎年40万円ずつ積み立てることができるようになりました。長期投資が可能となり、ますます使い勝手が良くなった印象です。

つみたてニーサのメリットは、なんといっても流動性の高さです。

「流動性」とは、簡単に言うと「出し入れのしやすさ」のことです。

金融機関では普通預金や当座預金など、入出金がしやすい預金のことを「流動性預金」と呼びます。

つみたてニーサはイデコと比較すると流動性が高いというメリットがあります。

そのため、老後資金だけではなく、住宅購入資金の頭金や教育資金など、幅広い目的に利用することができます。

これから結婚や子育てなどたくさんのライフイベントが待ち受けているゆとり世代には、使いやすい非課税制度といえますね。

ただし、一般的に資産運用は時間を掛けるほどリスクが軽減し、リターンが安定する傾向がありますので、10年未満の運用は避けた方が無難です。

10年程度の運用では、まだまだ安心はできません。増えている可能性ももちろんありますが、元本割れのリスクもあります。

20年、30年と続けることでリターンやリスクは安定してきますから、短期間の運用は注意が必要です。

ゆとり世代は保障と資産運用のバランスが大事

ゆとり世代が将来お金に困らないために、今から資産運用で貯蓄を増やしていく必要性は高いと言えます。

今のゆとり世代が老後を迎える頃には、日本の労働人口は今以上に減少していることが予想されます。公的年金の受給額も減少する可能性があります。

できれば毎月コツコツと将来に向けて、資産運用の力を借りて積立をしていきたいところですが、20代や30代だと、まだ手元にまとまったお金が十分にない人が多いでしょう。

投資信託や株式などのリスク性商品ばかりで積み立てていると、途中で万が一の事があった時にお金が工面できなくなる可能性が生じます。

積み立て途中の資産が元本割れしている、あるいは十分資産が成長していないのに解約せざるを得なくなる事態は避けなくてはいけません。

そのため、20代、30代のゆとり世代は、病気やケガで働けなくなった時など、お金に困らない工夫として保障をしっかり確保することが重要です

掛け捨てではなく、貯蓄型の保険だと資産形成にも使えます。いざという時のお金に困らないための工夫は、ぜひ考えておくことをおすすめします。

おわりにかえて

今回はゆとり世代と呼ばれている20代、30代前半の人が将来お金で困らないように、イデコとつみたてニーサ活用法についてみてきました。

ゆとり世代の人は、まだ運用できる時間がたくさん残されています。

資産運用をする上で最も重要なことは「時間」と言っても過言ではありません。時間を掛けることで資産はじっくりと成長していきます。

だからこそ、資産運用は積極的に活用していきましょう。銀行預金では金利がつかない今はなおさらです。

最近ではイデコやつみたてニーサの無料セミナーも充実しています。これを機に将来のための資産運用をスタートしてみてはいかがでしょうか。

参考資料