中高年活躍社会だった戦国時代

実は戦国時代は中高年活躍社会でもありました。

55歳で謀叛をおこした光秀。三本の矢で有名な西国の雄・毛利元就が、厳島の戦いで歴史の表舞台に登場したのが59歳(1555年/天文25年)。徳川家康が大阪夏の陣で豊臣家を滅亡させたのが73歳です(1615年/慶長20年)。まさに中高年パワー炸裂の感があります。

多分、想像にするに昔は“超絶恐ろしい年寄り"がたくさんいたのかもしれませんね。21世紀の日本ではみんなが「愛される老人」を目指して、嫌われない老人になるために四苦八苦していますが、昔はそんなことはお構いなしだったのかも。

自分が子供の頃の昭和を思い出しても、結構、頑固な怖いお年寄りがたくさんいた気がします。戦国時代は、さらに400年前の話ですから。

それにしても、どうなんでしょうか。愛されるお年寄りに満ち溢れた社会って・・・ちょっと気色悪い気もするのですが。

もちろんアップデートできない困った老害政治家もいますが、本来はキチンとした理由でNOを言えるお年寄りは必要だと思います。実はその方が世の中としては活気がある気もします。

世界最高速で高齢化する日本。そこでマジョリティを構成する高齢者とその予備軍が、みんな愛される老人を目指す必要なんてないと思います。

55歳の光秀が地位も名誉も捨てて決然と自分の道を往く姿は、やはり感動的でした。当分、麒麟ロスが続きそうです。

榎本 洋