気になる登場人物の年齢
さて。本能寺の変(1582年/天正10年)時の主要登場人物の年齢をチェックしてみましょう。まず信長が49歳。羽柴秀吉が45歳、徳川家康は39歳です。光秀の年齢は諸説あるのですが、最有力といわれる光秀生年1528年(享禄元年)説で考えれば55歳ということになります。
光秀は信長の6歳年上ということになりますね。このへんは年齢や身分を全く気にしない織田株式会社の面目躍如です。他社(家)では考えられないことです。それこそ、いまでいう“ダイバーシティ(多様性)"の先取りと言えるかもしれません。
話が脱線しますが、いまの中途採用市場でも組織の“ナンバー2/右腕"ニーズは結構あります。たとえば新規事業立ち上げの場合などですが、結構、上に立つ人が「自分より年上は使いづらい」と年齢を気にするんですね。
もしかすると、現代は戦国時代より退化しているのもしれません。あるいは真の競争社会ではないのかもしれませんね。
そんな地位や名誉も得た55歳の光秀がなぜ謀叛を起こしたのか。なにが光秀を追い詰めたのか。このへんが本能寺の変の最大の魅力なのだと思います。
もしかすると光秀は初老期うつ病気味だったのではという気さえします。あまりにも突発的すぎる本能寺の変は、そのような病の影響があったかもしれません。ブラックな織田家での長年の勤めで、心をすり減らしていたのかもしれませんね。