2022年10月以降、年収1200万円以上の世帯を児童手当の「特例給付」の対象から除外する、児童手当法などの改正案が2月2日に閣議決定されました。
児童手当は、一定の所得に満たない世帯に支給され、3歳未満は月1万5000円、3歳から小学生までは1万円(3人目以降は1万5000円)、中学生は1万円が支給されています。
一定以上の所得がある世帯には、特例給付として子ども1人あたり一律月5000円が支給されています。
この特例給付の対象から年収1200万円以上の世帯を除外することが決まり、ニュースでも大きな話題になっています。
資産形成が十分ではない子育て世代には、児童手当の給付は貴重な収入源です。
年収1200万円といっても子どもが2人、3人といれば、生活に余裕があるとも言い切れません。
私は大学卒業後、信用金庫での勤務経験があり、FPの資格を持つファイナンシャルアドバイザーとして、多くの方のファイナンシャルプラニングに関わってきました。
そこで今回は、教育費がいくらかかるか、どのように貯めたらよいかについて見ていきたいと思います。
幼稚園から高校まで、教育費はいくらか
本格的に学費がかかるのは大学からと思っている人もいるかもしれませんが、教育費は子供が小さい時でも結構かかります。
公立か私立かにもよりますが、幼稚園から教育費負担は決して軽くはありません。
そこで学校種別に教育費がいくらかかるかをみてみたいと思います。
文部科学省公表の「平成30年度子供の学習費調査の結果について」によると、学校種別の学習費総額は以下の通りです。
幼稚園(年間費用×3年分)
- 公立幼稚園:67万941円
- 私立幼稚園:158万3748円
小学校(年間費用×6年分)
- 公立小学校:192万7686円
- 私立小学校:959万2146円
中学校(年間費用×3年分)
- 公立中学校:146万5191円
- 私立中学校:421万9299円
高等学校(年間費用×3年分)
- 公立高等学校:137万2140円
- 私立高等学校:290万9733円
学習費の中には「学校教育費」、「学校給食費」、「学校外活動費」が含まれています。授業料や修学旅行や遠足の費用、教科書代などのほかに、学校外活動費として習い事や学習塾代も含まれています。
いかがでしょうか。公立学校も意外と教育費がかかることがわかりますね。
公立小学校でも、1学年当たり約32万円の教育費がかかるようです。これは主に学校外活動費、いわゆる学習塾費や習い事の費用が占めています。
さらに1ヶ月あたりの公立小学校の教育費は約2.6万円となります。これが2人、3人と子どもがいる世帯は、さらに負担が大きいですね。
大学費用はいくらかかるか
次に大学費用についてみていきたいと思います。
日本政策金融公庫公表の「令和2年度教育費負担の実態調査結果」によると、高校卒業後の入学先別にみた卒業までに必要な入在学費用(入学費用含む・年間平均額の累計)は以下のとおりです。
- 高専・専修・各種学校:311.6万円
- 私立短大:377万円
- 国公立大学:537万円
- 私立大学文系:703.5万円
- 私立大学理系:863万円
さらに自宅から大学に通えない場合は下宿をすることになりますが、下宿のための費用(アパートの敷金や家財道具の購入費など)で平均39.1万円、仕送りが年間平均102万円という結果になっています。
4年間下宿をしながら私立大学に通った場合、文系でも約1150万円の費用が必要になります。地方に住んでいる人は下宿になる可能性が高いため注意が必要ですね。
ケース別のトータル教育費、オール私立は2000万円超
最後に進学した学校の公立、私立別にトータルの教育費用がいくらかかるかを見ていきたいと思います。
これまで見てきた教育費を組み合わせると、以下の通りになります。なお、ここでは下宿代は除き、私立大学は文系の場合で算出します。
- ケース1(幼稚園から4年制大学まですべて公立):541万581万円
- ケース2(幼稚園と4年制大学が私立):1351万5771円
- ケース3(小学校だけ公立):1780万2988円
- ケース4(幼稚園から4年制大学まですべて私立):2546万8324円
見るのも辛い結果になってしまいましたが、進学する学校によって教育費も大きな差があることが分かります。
しかし、全て公立学校でも500万円以上の教育費がかかることは見逃せません。
子育てにはお金がかかるという明白な事実といえるでしょう。
このため、教育費はできるだけ早いうちからコツコツ貯めておく必要があります。
教育費は積立投資がおすすめ
多額の教育費を短期間で準備するのは難しいと言わざるをえません。
お子様が生まれたらすぐに積み立てをスタートするようにした方がよさそうです。
特に児童手当ですが、こちらはできるだけ使わずに、将来の教育費のために積み立てておくとベストです。
預貯金で貯めようとしても、この低金利下ですので、積み立てた分しか貯まっていきません。トータルの教育費を前もって貯めることはおそらく難しいでしょう。
資産形成のスピードを上げるには、学資保険などの貯蓄型保険、つみたてニーサなどを活用することも検討してみてください。
教育費は将来必ず必要になるため、過度にリスクが高い商品で運用しないことがポイントです。運用できる期限も決まっていますので、着実に増える商品を選択するようにしましょう。
おわりにかえて
今回は子育て費用についてみてきました。
子育てには想像以上にお金がかかることがわかりました。
教育費用は大切な我が子の将来のためのお金です。我が子が希望する学校なら、ぜひ行かせてあげたいと思うのが親ごころでしょう。
そのためにも、できるだけ早く準備をしたいものです。
教育費用を資産運用で増やそうとする場合は、慎重に商品を選んでください。大切な教育費用ですから、投資の失敗はできるだけしたくないですよね。
資産運用を検討する場合は、資産運用の専門家に相談するようにしましょう。そうすることで気づかなかったリスクも、検討材料にいれて商品選びをすることができます。
最近では無料で資産運用の専門家に相談できるサービスも充実してきました。それらを上手に活用しながら、将来に向けたしっかりとした積み立て投資を始めてみてはいかがでしょうか。
