「家賃はA銀行、水道光熱費はB銀行、スマホ代とクレカ代はC銀行…」などとなっていると、入出金の管理もややこしくなりますし、合計でいくら支払っているのか、支出が見えにくくなってしまいます。もしバラバラになっているなら、面倒でも生活費口座にまとめましょう。また、食費や雑費などの生活費は生活費口座から引き出して使うことになります。

 もう1つの口座は、サブバンクとして活用する「貯蓄口座」です。貯蓄口座には、先取り貯蓄で取り分けたお金を入れます。メインバンクからサブバンクにお金を移すときには自動振替を利用すると、とくに手続きをしなくても自動的にお金が移動できて楽ですし、強制力も働きます。この仕組みを利用して、お金を貯めていくのが基本です。

筆者の頼藤太希氏の著書(画像をクリックするとAmazonのページにジャンプします)

強制的・自動的に「先取り貯蓄」を仕組み化する方法

 貯蓄が苦手な人がお金を貯めるには「先取り」「強制」「自動」の3つのキーワードが重要です。サブバンクに預けるお金は、原則として引き出さずに、次のような制度を活用するといいでしょう。大まかに難易度の低い順に並んでいるので、試してみてください。

(1)「財形貯蓄」または「社内預金」

勤務先が毎月の給料から天引きしてお金を貯める制度です。財形貯蓄のうち「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」には利子が非課税となる恩恵があります。また社内預金は、金利が一般の銀行より高く設定されていることもあるなど、メリットもあります。これらは、会社に制度がないと利用できません。詳細は、会社の総務部など、担当者に確認してください。

(2)「定期預金自動積立」

給与が振り込まれる銀行口座で、定期預金に自動で積み立てする日を給与振込日の翌日に設定すれば、ほぼ給与天引きの状態となり確実にお金を貯めることができます。少しでも利率が高いネット銀行がおすすめです。

(3)「投資信託自動積立」

投資信託は金融機関のプロが投資家から集めたお金をまとめて運用する金融商品。自分で株式や債券の分散を行わなくてよいので、便利な商品といえます。

(4)「つみたてNISA(積立NISA)」

NISAは投資で得られた利益に対する税金を非課税にできる制度です。つみたてNISAを利用すると、毎年40万円までの投資から得られる利益を最大20年にわたって非課税にすることができます。つみたてNISAで買える商品は、金融庁が厳選した投資信託から選びます。いずれも手数料が安く、中長期でお金を増やすことが見込める商品ですので、初心者でも選びやすく、投資をスタートしやすいでしょう。