近年話題になった「老後資金2000万円不足問題」や昨年からのコロナ渦もあって、先行きに不安を感じる方が増えているようです。将来への備えや投資の資金として、貯金を始めたという話もよく聞きます。ただ、貯金というのはなかなかつらいもの。結局、続けられずに諦めてしまった方も多いでのはないでしょうか。
書籍『1日5分で、お金持ち』の著者で、月300万PV超の女性向けマネーサイト『Mocha(モカ)』を運営しながら、5000人以上の資産運用に関わってきたマネーコンサルタントの頼藤太希さんは、「先取り・強制・自動の3つのキーワードを活用すれば、貯蓄が苦手な人でもお金が貯められる」と話します。そこでこの記事では、挫折せずに続けられる貯金の方法について、頼藤さんにわかりやすく解説してもらいました。
「残ったお金を貯金」ではなく、「先取り貯蓄」をする
お金を貯めることとダイエットは、どちらも「モチベーションが大事」という点で似ています。貯蓄を長続きさせるためにも、「教育資金のため」「住宅資金のため」「老後資金のため」など、お金を貯める目的がやはり大切です。目的がはっきりしたら、毎月貯めるお金を「先取り貯蓄」の仕組みで貯めていきます。
先取り貯蓄とは、支出した後に余ったお金を貯蓄に回すのではなく、お給料が入ったら、先に貯蓄分を取り分けてしまうという方法です。
×「収入-支出=残ったお金を貯蓄」→ 後から貯蓄
○「収入-貯蓄=残ったお金で支出」→ 先取り貯蓄
この先取り貯蓄の原則を「強制的に」「自動的に」行えれば、貯金ができなかった人も変わるはずです。
銀行口座を活用した「先取り貯蓄」の仕組み
貯める時には、なんとなく銀行を使うのはNGです。銀行口座の使い方に「仕組み」が必要なのです。銀行口座は、最低2つ用意しましょう。とくにこれまで銀行口座を使い分けてこなかった方の場合は、なるべく管理の手間がかからないほうがおすすめです。
1つ目の口座は、メインバンクとして保有する「生活費口座」です。生活費口座ではまず、毎月の給料や報酬などを受け取ります。次に、先取り貯蓄する分のお金を取り分けて、後述するサブバンク(貯蓄口座)に移します。そして、家賃や住宅ローン・水道光熱費・スマホ代・保険料・クレジットカードの引き落としなど、口座引き落としになるものはすべてこの生活費口座から引き落とすようにします。